吾輩は谷中七福猫 巡れば願いがかなう?  (東京新聞2014年6月4日 夕刊)

【社会】
吾輩は谷中七福猫 巡れば願いがかなう?
東京新聞2014年6月4日 夕刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014060402000258.html


画像

2体あるのは…。白くて四角いものを売る店に

 ぼくらは七匹のネコ。といっても木彫りの置物だけど。すんでいるのは、七福神巡りとネコの街で知られる東京都台東区の谷中銀座商店街。この街で今、七福神ならぬ「七福猫」参りが人気なんだって。どうやらぼくらを探して願い事をしたり、写真を撮ったりするらしい。でも居場所は言わないよ。商店街の人たちにヒントをもらって、全員見つけてニャ! (志村彰太、写真も)

 五月下旬のある日、約百五十メートルの商店街の通りに並ぶ陶器店の入り口で、女性五人組がかがみ込んで何度もシャッターを切っていた。「みんなで食事に来て偶然見つけた。面白そうだから全部探したい」。その中の一人、高野理美(さとみ)さん(50)=埼玉県川口市=がほほ笑む。

 置物は見つけにくい場所にもあり、ゲーム感覚で楽しめる点に引きつけられるようだ。商店街理事長の杉田浩さん(50)は「どこにあるのか聞いてくる人もいるが、ヒントしか教えない」とにんまり。

 ネコの置物のきっかけは二〇〇七年、地域づくりの参考に商店主らが欧州を視察し、街中にあるオブジェを見たことだ。当初は欧州のような街並みを作りたいと「裸婦像とかを置こうと話していた」と杉田さん。ただ、子どもも来る商店街にはふさわしくないと、ネコにした。

 区内にある東京芸術大の大学院生三人に「自由に作って」と依頼。〇九年、店先や屋根に高さ五十センチから一メートルほどのネコを置いた。「最初は全く注目されなかった」(杉田さん)が、ちょうど七体あることに引っ掛けて、一一年に商店街のホームページなどで「七福猫」としてPRしたところ、パワースポットブームにも乗ってネコ目当てに訪れる人が増え始めた。

 両親とともに来た女性(22)もパワースポット好き。「全部見つけて、願いがかなうといいな」と笑顔を見せる。

 「まさかこんな楽しみ方をされるとは」。もともとは別の目的で置いたものなので、予想外の反響に商店街側も驚く。「自分の作品を見に来てくれる人がいてうれしい」と、制作者の一人の足立哲史(てつし)さん(32)。あまりの人気にそれぞれに七福神の名前を付けようという話も出たが、「そういうつもりで作ったわけじゃない」と、今のところは名無しのままだ。

 せっかくの人気をどう商店街の活性化につなげるか。杉田さんは「グッズを作るなど魅力ある仕掛けを考えたい」と、こちらも御利益を期待している。

"吾輩は谷中七福猫 巡れば願いがかなう?  (東京新聞2014年6月4日 夕刊)" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント