【親子でぶらり 学べるスポット】 胸に迫る「いのちの被災地図」 東京大空襲・戦災資料センター

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焼夷弾の残骸を手に、当時の様子を話す二瓶さん

 「戦争の見方は、立場によってさまざまだと思います。ただ庶民が体験したことが、戦争の本質を一番表しているんじゃないでしょうか」。戦災資料センターで体験を語っている二瓶治代さんは、3階に展示されている焼夷(しょうい)弾の残骸を持ち上げながら話した。

 国民学校2年生当時、亀戸で東京大空襲を経験した。「赤い滝のようだったと話す人もいます。焼夷弾につけられた布が燃えながら落ちてきて、アッという間に燃え広がるんですね」。同じフロアに「案外、消しやすい」と宣伝する資料も展示されている。「みんな信じて消そうとしたんですよ」

 センターは「東京空襲を記録する会」が1970(昭和45)年から集めてきた資料などを展示する。99年に都の「平和祈念館」建設計画が凍結になったことから、民間に募金を呼び掛け2002年に開館にこぎ着けた。今年3月からは新しく、2つのコンテンツが公開された。一つは計百回にも及ぶ空襲で死亡した人のうち、1万人の当時の住所と死亡場所を結んだ「いのちの被災地図」だ。「言問橋、菊川橋、二葉国民学校など多くの死者が出た場所に、逃げ惑った人々が集まったことが分かります。命の最後の軌跡を表したいとの思いを込めました」。制作にあたった主任研究員の山本唯人さんは話す。

 もう一つは、5人の空襲体験者が戦前から戦後の暮らしまで、自身の生きざまを70余りのエピソードで語る「証言映像マップ」だ。山本さんは「戦争体験だけを切り取って話しても、伝わらなくなってきた。戦争の背景、戦後の暮らしなどの知識が時代が進むに連れて共有できなくなってきたためです。5人の個人史を通じて、戦争が今にどうつながっているのか、理解を深めてほしい」と話す。 (仁)

 ★東京大空襲・戦災資料センター 東京都江東区北砂1の5の4、地下鉄住吉駅徒歩18分、JR秋葉原駅、地下鉄清澄白河駅などからバス葛西駅行き北砂1丁目下車2分。29日と30日の14時から、本文にある新公開のコンテンツを解説するギャラリートークが行われる。開館は正午から16時。月・火曜と年末年始休館。協力費一般300円、中高生200円。小学生以下無料。(電)03・5857・5631

◆ひとこと
 「グループでご要望があれば、体験談を聞くこともできます。事前にご予約ください」と山本さん。

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●足を延ばせば…
 ★木場公園 江東区木場4など、地下鉄木場駅徒歩5分。約24万平方メートルの敷地内には、木製遊具のある冒険広場、ガーデニング、帰化植物などのコーナーに分かれる都市緑化植物園、ダイナミックな造形で眺望もいい木場公園大橋なども。木場公園サービスセンター=(電)03・5245・1770

 ★東京都現代美術館 江東区三好4の1の1、地下鉄清澄白河駅徒歩9分。前記の木場公園の北端にある。「現代」と「美術」を結ぶ開かれた美術館実現を目指す。所蔵作品は約4500点。入館料は企画展の内容により異なる。MOTコレクション展(常設展)は一般500円、大学生400円、65歳以上と高校生250円。中学生以下無料。原則月曜休館。展示替えなどはホームページで確認を。

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