【江戸東京 町歩き】 街角で見かけた家族ドラマ <神保町>

【江戸東京 町歩き】
街角で見かけた家族ドラマ<神保町>
【話題】
日刊ゲンダイ2013年5月15日 掲載



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「古本とカレーの町」で知られる神保町だが、あえて古本とカレーを省いて歩いてみた。江戸時代は一帯、武家屋敷だった白山通り沿いを。

 数年前、神保町の白山通りをぶらぶらしていて、見つけたのがイタリア料理店「アンゴロ」だ。昼食で気に入り、夜に再訪。それ以来、神保町に行けば必ず寄っている。

 落ち着くんだ、ここ。家族4人でやっているんだが、ドアを開けるとまず、お父さんが「どうも~」と、大きな声で出迎えてくれる。これで、ホッと肩の力が抜ける。席に着くと、見るからに聡明なお姉さんが、水とメニューを運んできてくれる。しとやかなお母さんが注文を聞いてくれ、食後は、シェフの弟さんが食後酒をササッと出してくれる。レストランを舞台にした家族ドラマを見ているような気分になる。

 もともとは、お父さんがやっていた洋食屋「キッチン カド」。それが6年前、息子さんの代になり、「アンゴロ(街角)」に。それでもやっぱり家族経営って、今どき逆に、珍しいんじゃないか、と思う。他店では数千円するホワイトアスパラガスが、1000円もしなかったりと、料理と値段がいい意味で釣り合いが取れていないのも魅力。

 アンゴロの横の道を入り、次の角を右に曲がって少し歩くと、「珈琲エリカ」。数年前よく行っていたという知人によれば、「できて50年近くじゃないかな。親子3人でやってるはず。会社を辞めてごぶさたしちゃっているけど、懐かしい」。“ザ・サテン”といった感じの薄暗い店内は、時間がゆったり流れているようで、腰を落ち着けて読書をするのに最適だ。

 エリカを出て、「山の上ホテル」に向かう坂道を上る。大名屋敷の庭園であった錦華公園の新緑が、目にも心にもすがすがしい。大通り沿いはチェーン店が増えて賑やかだが、1本外れるだけで、この辺りは静かでいい。歩いている人もゆったりだ。坂道を上り下りしていたら、汗をかいてしまった。
(真) .

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