ちばの力<7> 非営利活動の輪~千葉市 (東京新聞2013年1月8日)

【千葉】
ちばの力<7> 非営利活動の輪~千葉市
東京新聞2013年1月8日


画像
 
幕チャリの開催に向け話し合う学生たち=千葉市の神田外語大で

 ショッピングモールやオフィスビルが立ち並ぶ千葉市美浜区の幕張エリア。この街に通う大学生たちが「気軽に楽しく社会貢献」をモットーに、通称「幕チャリ」と呼ばれるチャリティーを毎年春と秋、続けている。地域の住民や企業と連携した活動は二〇一二年で八年目を数えた。
 企画しているのは、神田外語大(千葉市)の学生でつくるボランティア組織「Create Universal Peace(CUP)」(〇四年設立)。〇五年からキャンパス内で「幕張チャリティ・フリーマーケット(幕チャリ)」を開催している。
 大学の授業をきっかけに、学生自身が英国発祥のチャリティー・リサイクルショップをヒントに考え出した。同ショップは、寄付された不用品をボランティアが売り、社会的活動の資金を集める店のこと。幕チャリに常設の店はないが、フリマを開いて、地域の住民や企業から提供してもらった商品を学生が販売し、客が購入する。それぞれの立場から「モノ」「時間」「現金」を寄付する仕組みだ。
 売り上げの寄付は、使途が明らかな非営利団体を選んでいる。現在はアジアの発展途上国を支援する団体に公益信託している。
 CUPは一般的な学生サークルと違い、いつでも参加できるのが特徴。代表で二年の酒井智行さん(20)は「自分ができるときに、できることをやるのが基本。だから当日参加もOK。商品の並べ方一つにしても、個人個人が自由に考えて行動している」と自主性を重んじている。
 東日本大震災の際は、準備の真っただ中だった。キャンパスは液状化被害を受け、余震でスタッフが集まるのにも苦労した。自粛ムードが漂う中、延期しようとの声も上がったが、「東日本大震災復興支援 緊急幕チャリ」として例年通り開催。風評被害に悩む福島県天栄村の物産直販も行い、延べ四千人近くが訪れた。
 「いま自分たちに何ができるのかを見つめ直し、何かしなければという気持ちが突き動かした」と、当時代表を務めた四年の小川愛美さん(22)は振り返る。
 震災直後の売上金二百五万円は、同大の被災地復興支援プロジェクトに寄付。小川さんはその一環で福島、宮城両県の被災地に赴き、子どもたちの英語教育サポートに携わった。「子どもたちに笑顔が生まれ、大人にも連鎖したのが印象的だった」(小川さん)と、幕チャリを通じた支援に手応えを感じた。
 一二年も復興支援を継続。被災地で作られた農産物や食品を買い取って販売し、商品はすべて売り切れた。
 幕チャリの寄付総額は八年で一千万円を超える。毎年商品を提供する住民がいるほど、地域のイベントとして根付き始めた。金額重視の単なるフリマと違い、幕チャリを通じて「世界中で支援が必要な人がいることを伝えることに意味がある」(酒井さん)と考えている。
 千葉の若者が生んだチャリティーの芽は、いつか大木になるはずだ。 (佐々木香理)
  =おわり
◆県内の参加率は全国32位
 2011年の社会生活基本調査(総務省)によると、1年間にボランティア活動を行った人は、全国で2995万1000人で、10歳以上の人口に占める割合(行動者率)は26.3%だった。行動者率は06年の前回調査より0.1ポイント上がったが、ほぼ横ばいといえる。
 年齢別の行動者率は、25~29歳が16.5%で、前回と同様に最も低かった。一番高いのは、40~44歳の35.6%だった。
 千葉県の行動者率は26.0%で、前回調査の24.1%から1.9ポイント上昇した。ただ、都道府県別では32位(前回は39位)で、ボランティアの参加率は全国的にみると、まだ高い方ではない。





"ちばの力<7> 非営利活動の輪~千葉市 (東京新聞2013年1月8日)" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント