【著者インタビュー】  「世界のへんな肉」白石あづさ氏

著者インタビュー
「世界のへんな肉」白石あづさ氏
日刊ゲンダイ2016年12月29日

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/196800


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白石あづさ氏(C)日刊ゲンダイ

 世界100カ国以上を約3年かけて巡り、各国で出合った動物とその味についてつづった異色の旅エッセーである。

「旅の楽しみといえば何といっても食事。国が替われば食材も調理方法も変わり、市場で珍しい果物などを見て驚くこともしばしばでした。けれど一番衝撃だったのは、その国で食べられている肉。日本では絶対に食材と見なさない動物が、フツーに食べ物として認識されているんですよ。それでかわいそうと思いつつも、もしかしておいしいのかも? と好奇心にかきたてられたんです」

 エジプトでは恐る恐る口にしたラクダのケバブ(串焼き)の鹿肉のような味わいに驚き、ケニアではインパラが牛肉にそっくりのうまさで悶絶する。そして、サバンナではダチョウに追いかけられマサイ族に助けられたり、真夜中のアマゾンでワニを生け捕りに出かけるなどレアな体験の中で著者は動物と触れ合い、また食を通して現地の人々と交流を深めていく。

「思い出深いのはイランですね。旅人である私を泊めてくれた親切なイラン・ファミリーと町のサンドイッチ屋を訪れたとき、“サンドビーチェマーグス”を勧められたんです。聞けば羊の脳みそだという。うろたえていると店の人がサービスで大盛りにしてくれ、おまけに人だかりが出来てしまった。大注目の中、引き下がれなかったですね(笑い)」

 はたして、その味は「カレー味の白子」で、絹豆腐の食感だった。ほの甘いコッペパンにマッチし、日本ではやってもおかしくないおいしさだったという。著者は店に連れてきてくれたイラン美人女子大生と羊の脳みそを頬張りながら、恋バナで大いに盛り上がった。

 同様に、グロテスクな見た目に反してうまかったのが、中米エルサルバドルで食べたイグアナだ。野良犬ならぬ野良イグアナがいるほど身近な動物だが、現地ではなんと食用に養殖をしている。

「樹上のニワトリと呼ばれるだけあって、まさに鶏肉の味。あっさりしているけどうま味があって男性は元気になりたいときに、女性は美容のために食べるみたいです。日本のうなぎや馬刺しの感覚でしょうか」

 一方で、チャレンジしたものの、まずかったものもある。リトアニアで食べたビーバーのプラム煮込みは、まるでよどんだ川で釣った鯉の味。ケニアの食堂のおばちゃんにもらったキリンのジャーキーは噛むほどにカビっぽい味がし、スウェーデンで食べた雷鳥は「魚のハラワタのように苦くて渋い味」でギブアップした。

「国や宗教によって食べていい肉、食べてはいけない肉が決まっていますが、実は抜け道があるんです。たとえばインドでは牛は禁止ですが、水牛は悪魔の使いだから食べてよいらしく、水牛カレーが人気でした。お酒が禁止のイランでは各家庭で密造酒を造り、家の中に隠したパラボラアンテナでトルコのお色気番組を傍受してエロも堪能していました(笑い)。物事には抜け道があって、上手に楽しんでいる。これぞ世界の生きる知恵ですね」

 ガゼルやインパラ、アルマジロ、トナカイ、バファローなど著者が食べ尽くした19の“ヘンな肉”を紙面でたっぷり召し上がれ。(新潮社 1200円+税)

▽日本大学芸術学部卒。地域紙の記者を経て約3年間の世界放浪へと旅立つ。現在はフリーライターとして旅行雑誌などに執筆。著書に「世界のへんなおじさん」。

「世界のへんな肉」白石 あづさ著(新潮社 1,296円税込)


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内容紹介
かわいいあいつも、食べるとおいしい。

リャマとアルパカの食べ比べ?
アルマジロはコラーゲンたっぷり?
カエルが漢方スイーツに?

怒ると「臭い」ラクダやリャマ、おねだり下手なイグアナ、突然キレるワニ。そんな動物たちを……ええっ、食べちゃうの!? 白子のようにふわふわなヒツジの脳みそ、舌の上でとろけるトナカイ、噛むほどに旨味がにじみ出るワニのコブ――世界100以上の地域を訪ねた著者が、動物たちとの出会いとその意外な味を綴る、ほんわか珍肉エッセイ集。

ごめん! おまえは今日、ただのごちそうよ!

〈目次〉
はじめに

ユーラシア篇
水牛(インド) インド人も牛を食べる? 「悪魔の牛カレー」とは
ヒツジ(イラン) 恋する女子大生も大好き 「ヒツジの脳みそサンドイッチ」

アフリカ篇
ラクダ(エジプト) 乗るより食べたい? 「ラクダのケバブ」
キリン(ケニア) サバンナレストランでもらった「キリンのジャーキー」
ダチョウ(南アフリカ) 恐怖のダチョウ リベンジは「ステーキ」と「オムレツ」で
ガゼル インパラ(ケニア) チーターも大好物?「サバンナの天使の煮込み」
ウサギ(ウガンダ) 湖に浮かぶ島で暮らす魅惑のぶちウサギ

中南米篇
リャマ アルパカ(ペルー) インカ対決 「リャマのトマト煮」vs「アルパカステーキ」
ヨロイナマズ(ブラジル) アマゾン川グルメ紀行 呪われた「ヨロイナマズの味噌汁」
バッファロー(ブラジル) 開拓者の味? 密林の「バッファローステーキ」
アルマジロ(グアテマラ) お肌に効く!? 「アルマジロのブラウンシチュー」
イグアナ(エルサルバドル) その無表情がクセになる 「イグアナのスパイス炒め」

ヨーロッパ篇
雷鳥(スウェーデン) 山のアイドル 禁断の「雷鳥ロースト ブルーベリーソース」
トナカイ(スウェーデン) サンタの友達はうまいのか? 「トナカイのカルパッチョ」
ビーバー(リトアニア) バルトで出会った川の働き者 「ビーバーのプラム煮込み」

アジア篇
ヤギ(インドネシア) オバケのささやきと「ヤギの脳みそスープ」
カエル(マカオ) おしゃれな漢方スイーツ? 「カエルの子宮ココナッツミルク」
カブトガニ(中国) セレブの気分で“カニ"三昧? 「カブトガニの唐辛子炒め」

日本篇
ワニ(静岡) 背中のゴツゴツを煮込んだ「ワニカレー」やいかに

おわりに

著者について
日本大学芸術学部美術学科卒業。地域紙の記者を経て、約3年の世界放浪へと旅立つ。帰国後はフリーライターとして旅行雑誌、グルメ雑誌等に執筆。これまでに訪ねた国や地域は100以上にのぼる。著書に『世界のへんなおじさん』(小学館)。


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新潮社
白石 あづさ

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登録情報
単行本(ソフトカバー): 192ページ
出版社: 新潮社 (2016/10/31)
言語: 日本語
ISBN-10: 4103504714
ISBN-13: 978-4103504719
発売日: 2016/10/31
商品パッケージの寸法: 19 x 13 x 1.8 cm

内容(「BOOK」データベースより)
世界100以上の地域を訪ねた著者が、動物たちとの出会いとその意外な味を綴る、ほんわか珍肉エッセイ集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
白石/あづさ
日本大学芸術学部美術学科卒業。地域紙の記者を経て、約3年の世界放浪へと旅立つ。帰国後はフリーライターとして旅行雑誌、グルメ雑誌等に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)








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