「シブいビル」鈴木伸子著 白川青史写真(リトルモア 1700円+税)

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「シブいビル」鈴木伸子著 白川青史写真(リトルモア 1700円+税)
日刊ゲンダイ2016年10月14日

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/191720


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 1964年のオリンピックを機に、東京では都市開発が急速に進み、木造建築が次々と鉄筋コンクリート造りのビルへと建て替えられていった。今も都内に点々と残るそれらのビルは「当時ならではのデザインや工法、建材が用いられ、随所に人手のかかった職人仕事が施され」、周囲の平成生まれの建物群とは一線を画し、独特の風合いを放っている。

 そんな中年男のような「シブさ」を持つ、1960年代から70年代ごろのビルの魅力を伝えるビジュアルブック。

 オジサンたちの聖地である新橋は、シブいビルの聖地でもある。新橋駅汐留口の真ん前にそびえる「新橋駅前ビル」(1966年竣工)は、駅をはさんで反対側の「ニュー新橋ビル」(1971年竣工)とともに当地の2大ランドマーク。

 L字や三角の積み木を重ね合わせたような複雑な形をした駅前ビルは、薄型の細長いプロフィリットガラスを用いた格子模様で全体が覆われ、竣工時はさぞや近未来的な景観だっただろう。かつては受付嬢がいたという大理石の1階受付カウンターなど、当時は東京でも最新の高級感あふれる場所だったが、時代とともに熟成され、今は迷宮のような地階の飲み屋街が象徴する庶民的な味わいを醸し出している。

 一方、サブカルチャーの牙城として名高い「中野ブロードウェイ」(1966年竣工)は、日本初の高級ショッピングモールと高級分譲マンションの複合体として建設された。5階から10階までの居住部の広い廊下や玄関ホールには赤いカーペットが敷き詰められ、ホテルさながら。さらに屋上には居住者用のプールや池のある日本庭園など別世界が広がる。

 高度経済成長期のこうした建物は、有楽町の「東京交通会館」(1965年竣工)や「有楽町ビル」(1966年竣工)の階段ホールを彩るモザイク壁画や陶板タイルなどのように、バブル時代の建物とはまた一味違うお金のかけ方がされており、細部の意匠までが凝っている。

 その他、ゴシック建築のような尖塔状アーチ形の窓が特徴の王子駅前の総合レジャービル「サンスクエア」(1972年竣工)や、宇宙ステーションのようなエレベーターホールなど各所に贅を凝らし、竣工当初は東洋一のオフィスビルとして観光バスも立ち寄る東京名所だったという「パレスサイドビル」(1966年竣工)、日本初の全面大理石張り仕上げという建設機械メーカー・コマツ本社ビル(1966年竣工)など20棟のビルを取り上げる。

 4年後のオリンピックに向けて再開発が進む中、この中にも取り壊し・建て直しが決まった建物もある。スクラップ・アンド・ビルドが繰り返される東京の街の中で、年輪を重ね、円熟味を感じさせる貴重なビルの魅力を再発見させてくれるおすすめ本。

「シブいビル 高度成長期生まれ・東京のビルガイド」 鈴木 伸子, 白川 青史著(リトルモア 1,836円税込)


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昭和のビルよ、永遠にーー。
1964 年東京オリンピック前後、高度経済成長期に建設された、昭和の香りただようビル。
建設から半世紀を経て、建築として円熟味の増したシブい味わいが、たまらなくカッコイイ!

本書は、雑誌「東京人」の副編集長を長年つとめ、町歩きの達人とも言える著者が、
1960年代、高度経済成長期に建設された、味わいのあるシブいビルを紹介した東京のビル・ガイドです。
多くの図版と、ポイントや建築的トピックを詳細に解説し、見応え、読み応えのある一冊になりました。
【内容情報】(出版社より)
昭和のビルよ、永遠にーー。

1964年東京オリンピック前後、高度経済成長期に建設された、
昭和の香りただようビル。

建設から半世紀を経て、建築として円熟味の増したシブい味わいが、
たまらなくカッコイイ!

ビルの外観はもちろん、「近未来の宇宙ステーション」を彷彿とさせるエレベーターホール、
手すりのデザインも美しい螺旋階段、堂々とした佇まいの総大理石の壁面、空間を埋めるモザイクタイル壁画、
円みを帯びた窓やアールがかった天井の形状、ビル最上階の回転ラウンジや老舗喫茶店などビル内の施設……
デザインや建材のひとつひとつが時代を映し、美しく輝いている。

2020年東京オリンピックを目前に、急ピッチで再開発の進む都心において、
いま見ておくべき貴重なビルに憩い、ときめき、愉しむための一冊。
ーー

東京交通会館/有楽町ビル・新有楽町ビル
新橋駅前ビル/ニュー新橋ビル
日本橋高島屋 増築部分/中野ブロードウェイ
ソニービル/紀伊國屋ビル
ホテルニューオータニ/ロサ会館
サンスクエア/ホテルオークラ東京 別館
パレスサイドビル/三会堂ビル
目黒区総合庁舎/柳屋ビルディング
コマツビル/新東京ビル・国際ビル
……これぞシブいビル!厳選の20棟を徹底ガイド!!
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・オールカラー128ページに約200点の図版を収録
・巻末には1954年から1973年の東京の風景や暮らしを知る年表も収録


シブいビル 高度成長期生まれ・東京のビルガイド
リトル・モア
鈴木 伸子

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鈴木 伸子 白川 青史 リトルモア発行年月:2016年08月22日 予約締切日:2016年08月19


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商品基本情報
発売日: 2016年08月22日
著者/編集: 鈴木 伸子, 白川 青史
出版社: リトルモア
サイズ: 単行本
ページ数: 128p
ISBNコード: 9784898154458

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
1964年東京オリンピック前後に建設された昭和の香りただようビルが、たまらなくカッコイイ!スクラップ&ビルド激しい東京で、いま見ておくべき貴重なビルの、歴史と建築的トピック、愉しみ方をご案内。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 有楽町と新橋はシブいビルの聖地である
東京交通会館ー戦後復興プロジェクトの目玉
有楽町ビル・新有楽町ビルーいいビルには、いい喫茶店 ほか
2 ショッピングはナウでおしゃれな空間で
日本橋高島屋増築部分ー象の高子ちゃんも踏みしめた優雅な階段
中野ブロードウェイークールジャパン的買い物天国と伝説のラグジュアリーマンション ほか
3 娯楽の時間はゴージャス&レトロで楽しく
ホテルニューオータニー戦艦大和の主砲台の技術を応用した回転ラウンジ
ロサ会館ー池袋の娯楽の花園 ほか
4 颯爽と歩きたくなるオフィスビルヂング
パレスサイドビルー東洋一のオフィスビル
三会堂ビルー農林水を象徴する優雅な意匠 ほか

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
鈴木伸子(スズキノブコ)
1964年東京生まれ。東京女子大学卒業後、都市出版「東京人」編集室に勤務。1997年より副編集長。2010年退社。現在は、都市、建築、鉄道、町歩き、食べ歩きなどをテーマに執筆・編集活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


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