【書評】  山の霊異記 霧中の幻影 安曇潤平 著 (KADOKAWA・1404円)

【書評】
山の霊異記 霧中の幻影 安曇潤平 著 (KADOKAWA・1404円)
東京新聞 2016年8月21日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2016082102000173.html


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◆里山を歩き、紡いだ話

「山の霊異記 霧中の幻影」(幽BOOKS) 安曇潤平著(KADOKAWA 1,404円税込)


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霧の山道で背後からついてくる操り人形のような女性、登山中になぜか豹変した友人の態度、「死ぬ人の顔が見える」という三枚鏡……。登山者や山に関わる人々から聞き集めた怪異と恐怖を厳しい自然とともに活写する。

【内容情報】(出版社より)
霧の山道で背後からついてくる操り人形のような女性、登山中になぜか豹変した友人の態度、「死ぬ人の顔が見える」という三枚鏡……。登山者や山に関わる人々から聞き集めた怪異と恐怖を厳しい自然とともに活写する。


山の霊異記 霧中の幻影 (幽ブックス)
KADOKAWA/角川書店
2016-07-02
安曇 潤平

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商品基本情報
発売日: 2016年06月30日頃
著者/編集: 安曇潤平
出版社: KADOKAWA
サイズ: 単行本
ページ数: 190p
ISBNコード: 9784041044742

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
すれ違う登山者と挨拶をするたびに返ってくる怪訝な表情。焦燥感に囚われはじめた矢先、謎めいた男が告げた“事実”が恐ろしい「命の影」。友人と縦走する山道をずっとついてくる女性の動きが操り人形のようで不気味な「ついてくる女」、あまりの恐ろしさに、著者が山と距離を置くきっかけとなった体験「山を這う蟻」など、厳選した16話を収録。山とその裾野で遭遇した不思議なできごとを、美しくも厳しい自然とともに活写する。

【目次】(「BOOK」データベースより)
命の影
ついてくる女
ぼくちゃん
石田の背中
永遠の翼
三枚鏡
声が聞こえる
冬虫夏草

三ノ丸食堂
推定古道
河童淵
秘湯の夜
霧中の幻影
鎌倉奇談
山を這う蟻

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
安曇潤平(アズミジュンペイ)
1958年、東京都生まれ。ウェブサイト「北アルプスの風」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

電子書籍


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霧の山道で背後からついてくる操り人形のような女性、母娘にしか聞こえない不思議な声、「死ぬ人の顔が見え


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[評者]宇江敏勝=作家・林業家

 中年になってから著者は無理のない里山を楽しんでいるという。時間をかけてゆっくりと歩き、麓の温泉にひたって地元の酒や料理に舌鼓をうつ。言い伝えの残る古刹(こさつ)を訪れ、妖しいはなしに耳をかたむけることもある。

 十六篇の短篇小説が収められていて、山の雰囲気を堪能することができる。とくに麓から仰ぎ見る富士山のたたずまいがよい。純白の衣をまとった山容に、ゆるやかに広がる青い裾野は女性的な優雅さを感じさせてくれる。しかし低山とはいえ気象が一変して、濃い霧に包まれることもある。雨に濡(ぬ)れて体温が急速にさがる危険。そして亡霊や妖怪がいつとはなしに寄ってくるから油断はならない。

 「推定古道」は、箱根峠からの雨の日の古道で、物の怪(け)にとり憑(つ)かれて道に迷うはなし。「声が聞こえる」は、遭難死した亡霊の声に誘われて、谷底にあやうく転落しそうになったはなし。「ついてくる女」は、二人連れの男の登山者に髪の長い見知らぬ女がついてくる。夜がふけて女はテントを覗(のぞ)き込み、そこからの出来事に読者は戦慄(せんりつ)させられる。

 人は自然に身をゆだね、濃密な関係をもつことによって、不思議なものに出会ったり感じることができる。八月十一日が新しい祝日「山の日」になったが、霊異という観点から山の奥深い魅力を教えてくれる一冊といえようか。

 <あずみ・じゅんぺい> 作家。著書『山の霊異記-赤いヤッケの男』など。

◆もう1冊
 工藤隆雄著『山のミステリー』(山と渓谷社)。山の幽霊ばなしをはじめ、この世のものとは思えない不思議な実話集。


新編 山のミステリー 異界としての山 Mystery of the Mountain
山と渓谷社
2016-06-17
工藤 隆雄

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