<食卓ものがたり>コシも伸ばす天日干し 大門(おおかど)そうめん(富山県砺波市)

【暮らし】
<食卓ものがたり>コシも伸ばす天日干し 大門(おおかど)そうめん(富山県砺波市)
東京新聞2015年4月4日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2015040402000213.html


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めんを延ばす作業を黙々と続ける黒田さん夫妻=富山県砺波市で

 さおにつるされた純白のそうめんが、カーテンのように揺れた。晴れていなくても風さえあればいい。山からの吹き下ろしで、そうめんはぐぐっと縮こまる。

 「やっぱり自然に乾かすのが一番いい」。黒田権一さん(66)は、めんの状態を確かめながら言う。富山県砺波(となみ)市大門(おおかど)の生産者十三軒のうち、天日干しを続けるのは黒田さんただ一人だ。

 湿気と気温が低い夜明け前に作業は始まる。小麦粉と塩水をこねて一晩寝かせた生地を、二本の竹の棒に引っかけて延ばしていく。二回に分けて、「いち、に、さーん」とゆっくりと。最終的には二メートルほどまで延ばすが、弾力性のある生地が切れることはない。

 休みなく手を動かす妻のまさ子さん(66)は「腰が痛くてね」。風通しの良い屋外などで、一時間ほど乾燥。しぐれることの多い冬の北陸の空模様だけに、室内に移動させることもしばしばだ。

 別室の作業部屋には、白いかっぽう着を着た女性たちが待ち構えていた。小麦粉の香ばしさが広がるなか、そうめんを二つに折り、くるくるっと丸めていく。丸まげ状に折り曲げられたそうめんとして、全国的に知られるゆえんだ。仮包装した後、さらに約十日、乾燥させる。

 黒田さんの姉の武部敏子さん(77)は子どものころ、学校から帰ると包装作業を手伝った。手際の良さはだれにも負けない。「コシが強いから、冷たいそうめんはもちろん、温かい汁でいただくにゅうめんもおすすめですよ」とほほ笑む。

 そうめんの仕込みは十月から三月までで、四月から順次出荷する。和紙でできた包装紙には、生産者の名前が書かれている。砺波の冬の寒さに耐え、黒田さんの誇りがぎゅっと詰まったそうめんの味わいは力強い。
  文・写真 福沢英里


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◆味わう

 砺波市内で3月にオープンした郷土料理専門店「農家レストラン大門」、電0763(33)0088=で大門そうめんを味わえる。建物は砺波の伝統家屋「アズマダチ」の民家を改装した。野菜をふんだんに使った伝承料理で体にやさしい。昼は、そうめんを含むコースが1620円からで、夜は3780円から。生産者でつくる大門素麺(そうめん)事業部事務局の「となみ野農業協同組合」が、通信販売を受け付けている。1袋(350グラム、3~4人分)650円など。送料別。(問)事業部=フリーダイヤル(0120)234803


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となみ野農業協同組合

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