「木村伊兵衛のパリ」木村伊兵衛著 田沼武能監修(朝日新聞出版 1600円+税)

「木村伊兵衛のパリ」木村伊兵衛著 田沼武能監修(朝日新聞出版 1600円+税)
日刊ゲンダイ2015年3月20日

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/158210


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「木村伊兵衛のパリ ポケット版」 木村伊兵衛著 田沼武能監修(朝日新聞出版 1,728円税込)


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撮影から半世紀、アルル国際写真フェスティバル出品を機に、国際的にも再評価の声が高まった『木村伊兵衛のパリ』。
現在絶版となり入手困難の人気大型写真集を、写真初心者から学生までより多くの読者が買いやすい価格の小型並製版として刊行。

解説/田沼武能
撮影・日記構成/山崎幸雄

蘇る1950年代、原色の街

ドアノーが案内した下町で、素顔のパリが生き生きと写し出される

「東京を発つときに、先輩、友人諸氏が、
写真を撮ることよりもゆっくり世界を見てくるだけでいい勉強になるといって、
私を慰めてくれた。
パリに落ち着いてブレッソン氏に会うまでは本気で写真が撮れなかった。
彼の写真はすべてが細かい神経と計算でレイアウトを考えている。
写真は『レイアウトが大切だ』と何度も繰り返して説明をしてくれた……」
(『アサヒカメラ』1955年4月号より)


木村伊兵衛のパリ ポケット版
朝日新聞出版
2014-12-19
木村伊兵衛

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木村伊兵衛のパリポケット版 [ 木村伊兵衛 ]
楽天ブックス
木村伊兵衛 田沼武能 朝日新聞出版発行年月:2014年12月19日 ページ数:129p サイズ:単行


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発売日: 2014年12月19日頃
著者/編集: 木村伊兵衛, 田沼武能
出版社: 朝日新聞出版
サイズ: 単行本
ページ数: 129p
ISBNコード: 9784023313347

【内容情報】
没後30年、人目に触れることのなかった木村伊兵衛のカラー作品「パリ」は、撮影から半世紀、アルル国際写真フェスティバル出品を機に、国際的にも再評価の声が高まった。本書には、幻のカラー作品170点を集大成した大型写真集『木村衛兵衛のパリ』より78点をセレクションし収録。

【著者情報】
木村伊兵衛(キムライヘエ)
1901年、東京・下谷生まれ。1930年、ライカを入手し、花王石鹸の広告写真でプロフェッショナルとしての活動を開始。雑誌『光画』に発表した東京の下町のスナップショットと、「ライカによる文芸家肖像写真展」で頭角をあらわす。以後、「ライカ使いの名手」として戦前・戦後を通じて活躍。1950年、日本写真家協会初代会長に就任。アマチュアの指導者としても、土門拳とともに「リアリズム写真運動」を推進。1954年、芸術選奨を受賞。また訪中写真家代表団団長として国交回復前後の中国を訪問。1974年没

電子書籍


木村伊兵衛のパリ
朝日新聞社
木村 伊兵衛

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 その名を冠した賞で有名な写真界の巨星・木村伊兵衛(1901~74年)がパリを撮影した大型写真集(2006年刊)のポケット版。一般人の海外旅行が許可されていなかった1954年とその翌年にパリを訪ねた折の作品を中心に収録する。

 落ち葉が埋め尽くす広場のベンチに座る恋人たちを撮影した一葉。そこだけがまるで目に見えないドームで覆われているかのように2人の時間が流れているのが、作品から伝わってくる。

 陽気でおしゃれな露店のチーズ屋の親父、レストランのテラス席に座る美しいパリジェンヌ、そして路上で寝込む放浪者など。

 60年前のパリの日常の点景に町のざわめきまで聞こえてきそうだ。

 何げなくカメラを向けたような普段着のパリを撮影した作品が並ぶが、実は周到な計算が尽くされている。パリジェンヌを写した作品の解説では、背景となる歩道を通る人の洋服の色にまで配慮してシャッターを切ったとある。

 リアリズム写真運動の推進者であった氏だが、中にはモードな帽子をかぶったマヌカンが美しいポーズでおぼろげに浮かび上がり、まるで印象派の絵画を見ているかのような作品もある。これは、帽子店のアトリエで室内の照明光と背景から差し込む太陽光の悪条件を逆手に撮影したという。

 日本で目にしたフランスの写真家アンリ・カルティエ・ブレッソンのプリントに「写真の使命を忘れていた」と衝撃を受け、彼と会うのがパリを訪ねた第一の目的だった。カルティエ・ブレッソンの紹介で木村は、ロベール・ドアノーとも親交を結ぶ。ロベール・ドアノーは、とっておきの撮影場所や人々の居る場所を惜しげもなく案内してくれたという。そうして撮影されたパリ祭の日に裏町の路上で踊る人々など、ドアノーと木村の両者が愛した下町の風情も数多く収録されている。

 デジタル撮影の映像に慣れた目に、その場の空気感や温度さえも感じられるような温かみのある氏の作品は、新鮮に感じられるに違いない。

 巨匠のすごさを改めて感じる。