川本三郎氏選出 「城下町」「東京」など旅に出たくなる3冊

川本三郎氏選出 「城下町」「東京」など旅に出たくなる3冊
NEWSポストセブン2015.01.03 16:00

http://www.news-postseven.com/archives/20150103_294392.html

 毎回、評者に1人1冊を選んでもらう書評コーナー。今回は年末年始に合わせ3冊の本をピックアップしてもらった。評論家の川本三郎氏が「また旅に出たくなる」をテーマにピックアップしたのは、以下の3冊だ。

(1)被災鉄道(芦原伸/講談社)
(2)ちいさな城下町(安西水丸/文藝春秋)
(3)東京幻風景(丸田祥三/実業之日本社)


 以下、川本氏の解説。

 * * *
 十四年の四月、東日本大震災で大きな被害を受けた三陸鉄道の北リアス線と南リアス線が全線開通した。大震災から三年でよくぞ復興した。東日本大震災では実は鉄道の死者は一人も出ていない。奇跡のようなこの事実はなぜありえたのか。(1)は鉄道好きの著者がその理由を知りたくて東北の鉄道を訪ねる。当日、何があったのか検証してゆく。鉄道の持つ底力に感動する。

「被災鉄道 復興への道」 芦原伸著(講談社 2,484円税込)


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本企画は、「乗り鉄」界の第一人者である本著者が震災以降一貫して取り組んできた被災鉄道の復興プロジェクトの報告書であり、集大成でもあるルポルタージュ。

 扱うのは常磐線、仙石線、気仙沼線、大船渡線、釜石線、山田線、三陸鉄道。みな東北地方の太平洋岸を走る鉄道です。

 これらの路線で、震災の瞬間に走っていた列車は29本。乗っていた乗客数は推定で総計800人。受けた被害は駅の流失23、線路の破壊65ヵ所60キロ、橋桁の破壊101ヵ所。

 そして驚くべきことに、乗客・乗務員の死傷者はゼロだった。

 なぜ、この「奇跡」が達成できたのかーーこれが本書の探求のテーマとなる。乗務員のマニュアルには地震時の対策はあっても、津波の時にどうするかの記載はない。彼ら乗務員・駅員が個々に冷静・沈着な判断を下し、乗客たちの協力的な行動や助言のおかげで、生還が果たされたのだ。本著者は現地へ10回以上通い、体験者や現地報道機関から収集した話を集大成して、「奇跡」の全体像を描く。

 さらに、本著者は復興後の各線に実際に乗車。そこで各路線の事情を見聞し、未曾有の災禍の後に地方交通線はいかにして生き残るのか、その処方箋も描き出そうと試みた。

序章 東北は心のふるさとでもあった
第1章 常磐線  -新地駅の衝撃
第2章 仙石線  -運命が分かれた野蒜駅
第3章 気仙沼線 -田んぼに横たわった列車
第4章 大船渡線 -ドラゴンレールの危機一髪
第5章 釜石線  -釜石駅、午後二時四六分
第6章 山田線  -津軽石駅で何が起こったか?
第7章 三陸鉄道 -早期再開が灯した希望の光
終章 復興する鉄道とその未来


被災鉄道 復興への道
講談社
芦原 伸

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発売日: 2014年07月15日頃
著者/編集: 芦原伸
出版社: 講談社
サイズ: 単行本
ページ数: 302p
ISBNコード: 9784062190299

【内容情報】
あのとき、東北地方の太平洋沿岸路線を走行中の列車は31本。乗客と乗務員は推定で約1800人。被害は駅の流失24、線路の破壊70カ所66キロ、橋梁の崩落119カ所。にもかかわらず、乗客・乗務員の死傷者はゼロだったー。乗務員は、駅員は、そして乗客はいかにして生還を果たしたか。常磐線、仙石線、石巻線、気仙沼線、大船渡線、釜石線、山田線、三陸鉄道。3・11で甚大な被害をこうむった路線を再び踏破し、惨状と復興の過程を描き出す。旅の先に、地方が生き残るための処方箋も見えてくる。

【目次】
第1章 常磐線ー新地駅の衝撃
第2章 仙石線、石巻線ー運命が分かれた野蒜駅
第3章 気仙沼線ー田んぼに横たわった列車
第4章 大船渡線ードラゴンレールの危機一髪
第5章 釜石線ー釜石駅、午後二時四六分
第6章 山田線ー津軽石駅で何が起こったか?
第7章 三陸鉄道ートンネル内で地震が来た!
終章 復興への道ー震災三年が過ぎて

【著者情報】
芦原伸(アシハラシン)
1946年生まれ。紀行作家、ジャーナリスト。北海道大学文学部卒業。1972年、鉄道ジャーナル社に入社。1976年に独立。1979年、編集会社(株)グループ・ルパンを創設。『旅ばあ~ん』(JR東日本発行)編集長などを経験し、現在は(株)天夢人Temjin代表。『旅と鉄道』(朝日新聞出版発売)編集長。日本旅行作家協会、日本ペンクラブ会員

(2)はこの三月に急逝した水丸さんの最後のエッセイ集。水丸さんは少年時代に剣道をしていたこともあって時代小説とそして城が好きだった。といっても立派な城ではない。好みの城は十万石以下。全国二十箇所の小さな城を訪ね歩く。城下町のよさを教えてくれる。

「ちいさな城下町」安西水丸著(文藝春秋 1,512円税込)


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安西水丸 文藝春秋発行年月:2014年06月24日 予約締切日:2014年06月20日 ページ数:2


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・発売日:2014年06月24日頃
・著者/編集:安西水丸
・出版社:文藝春秋
・サイズ:単行本
・ページ数:229p
・ISBNコード:9784163900865

【内容情報】
“有名すぎない”ローカル城下町の歴史が作り出す家並み、神社仏閣、人々の暮し、食べ物を絵と文で紹介。「思わず旅に出たくなる」著者最後のエッセイ集!

【目次】
村上市(新潟県)
行田市(埼玉県)
朝倉市(福岡県)
飯田市(長野県)
土浦市(茨城県)
壬生町(栃木県)
米子市(鳥取県)
安中市(群馬県)
岸和田市(大阪府)
中津市(大分県)
掛川市(静岡県)
天童市(山形県)
新宮市(和歌山県)
西尾市(愛知県)
大洲市(愛媛県)
亀山市(三重県)
木更津市(千葉県)
高梁市(岡山県)
沼田市(群馬県)
三春町・二本松市(福島県)

【著者情報】
安西水丸(アンザイミズマル)
イラストレーター。1942年東京生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。電通、平凡社などを経て独立。朝日広告賞、毎日広告賞等受賞。絵本、漫画、エッセイ、小説なども手がける。2014年3月19日逝去

 お手軽な東京散歩本が増えたなか(3)は素晴しい。廃墟、廃線を撮り続ける写真家が東京近辺の思いもかけない幻想的な風景を発見してゆく。普通の町の奥へ入るとそこに異界がある。

「東京幻風景」 丸田祥三著(実業之日本社 1,944円税込)


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発売日: 2014年04月
著者/編集: 丸田祥三
出版社: 実業之日本社
サイズ: 単行本
ページ数: 202p
ISBNコード: 9784408110431

【目次】
建築
廃墟
鉄道のある風景
戦争遺跡
廃線・廃車輌
近代土木
懐かしい風景

【著者情報】
丸田祥三(マルタショウゾウ)
1964年東京都生まれ。写真家。主に廃墟、少女、懐かしい風景を撮影する。94年、写真集『棄景』で日本写真協会新人賞受賞。和光大学表現学部で講師も務めている。

※週刊ポスト2015年1月1・9日号