【著者は語る】 40年に渡る旅の記憶を1冊に…『旅する知』 船曳建夫著(海竜社 1944円税込)

著者は語る
40年に渡る旅の記憶を1冊に
『旅する知 世紀をまたいで、世界を訪ねる』 (船曳建夫 著)

週刊文春2014.10.12 07:00

http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4426


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人類学者の著者が、40年をかけて巡った国々での思い出や考察を纏めた旅行記。ロシアの劇場での恐ろしい体験やニューヨークを描いた会田誠の絵の分析、ヨーグルトを食べながら哲学書を読んだパリでの生活、ケンブリッジで出会ったベトナム人との不思議な関係など、旅の記憶が余すところなく語られている。 海竜社 1800円+税

「旅する知 世紀をまたいで、世界を訪ねる」船曳建夫著(海竜社 1,944円税込)


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船曳 建夫

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世紀をまたいで、世界を訪ねる 船曳建夫 海竜社発行年月:2014年08月 ページ数:333p サイズ


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・発売日:2014年08月
・著者/編集:船曳建夫
・出版社:海竜社
・サイズ:単行本
・ページ数:333p
・ISBNコード:9784759313611

【内容情報】
1970年に始まる世界の変化と明日の予兆を縦断する旅エッセイ。人はなぜ旅に出るのか?異なる場所を知りたいだけでなく、異なる時間を生きたいのだ。サンクトペテルブルグ、ニューヨーク、パリ、ソウル、ケンブリッジ、ロンドンを巡る旅。

【目次】
第1章 サンクトペテルブルグーロシアは悩んでいる
第2章 ニューヨークーアメリカは不安だ
第3章 パリーパリは出会う
第4章 ソウルー韓国は変わる
第5章 ケンブリッジー英国はふるまう
第6章 変わる、変わらない

【著者情報】
船曳建夫(フナビキタケオ)
1948年、東京生まれ。東京大学名誉教授・文化人類学者。フィールドワークをメラネシア(バヌアツ、パプアニューギニア)、ポリネシア(ハワイ、タヒチ)、日本(山形県)、東アジア(中国、韓国)で行う。その他にも世界各所を探訪している。専門の関心は、人間の自然性と文化性、儀礼と演劇の表現と仕組み、「日本」とはなにか。「アーツカウンシル東京」で東京の芸術文化創造に参画

 サンクトペテルブルグ、ニューヨーク、パリ、ソウル、ケンブリッジ……、世界中を旅してきた人類学者の船曳建夫さんが、この度『旅する知』を上梓した。人類学者の旅行記は数あれど、この本のように40年もの時間の幅で、自身の旅を振り返ることは珍しい。

「5年前にサンクトペテルブルグを再訪した時、ロシアという国が変わっていないことに気がついたんです。国ごとに時間の流れは違っていて、40年という長期的な視点で見れば、底にある大きな変化のうねりみたいなものが分かってくる。例えば韓国は“全取っ替え”と言ってもいいくらい、凄いスピードで変わっています。一方でアメリカは、表面上は次々上書きされて発展しているかのようですが、9・11以降、それまで抱えていた不安が露呈し、下降線を辿っています」

 船曳さんは、ノートやメモを見ることなく、ほぼ記憶だけを頼りに本書を書き上げた。ケンブリッジで見た質素なノーベル賞祝賀会や、戒厳令下の韓国で訪れた旅館の女将との会話など、まるで昨日のことのように鮮明に描かれている。


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ふなびきたけお/1948年東京生まれ。東京大学名誉教授。東京大学教養学部卒業、ケンブリッジ大学大学院社会人類学にて博士号取得。儀礼の研究などフィールドワークで数々の国を巡る。『知の技法』(東京大学出版会)や『「日本人論」再考』(講談社)など著書も多数。

「私はおしゃべりで、こんな事があったとか始終喋っているんです。娘にもよく『それ3回目』とか注意されます(笑)。でも、そうやって繰り返し喋りながら、自分の中で記憶したことを反芻している。金浦(キンポ)空港の前の通りを、横断歩道ではなく車道を横切って渡ったとか、パリで会った哲学者のフーコーの笑った時に見える奥歯が、全て銀歯だったとか、何十年も前の些細な事も覚えています」

 旅先で船曳さんが感じた、喜怒哀楽では割り切れない、微妙な感情が巧みに表現されている点も本書の特徴だ。

「ソ連の若者に迂闊な質問をして相手を怒らせてしまった時の、恥ずかしいような、居心地の悪い気持ちは今だからこそ書けるものですね。『旅とは~』みたいに重々しく論じる文章にはしたくなかった。文体も硬くせず、空気を入れながら土を耕すように、緩やかさを保つ工夫をしました」

 最近の日本に目を転じれば、若者の内向き志向が高まっているというが。

「私は若い頃、本当に外国が存在するのかどうかが実感できなかったんです。だから、それを確かめに行くという大きな好奇心を持って旅に出ました。ネットの情報ばかりで、耳年増になるのはつまらない。外国語も心配ありません。私なんか最近になって英語ができるようになったんですから」

文「週刊文春」編集部

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