イベリコ豚 どんぐり以外の餌も食べドングリ食べぬ豚も存在

イベリコ豚 どんぐり以外の餌も食べドングリ食べぬ豚も存在
NEWSポストセブン2014.06.23 07:00

http://www.news-postseven.com/archives/20140623_262145.html

「イベリコ豚」といえば、生ハムの素材として名高いが、『イベリコ豚を買いに』(小学館 1620円)では、イベリコ豚の驚くべき真実を明らかにしている。同書の著者はイベリコ豚を知った瞬間、スペイン行きを企画するものの、国内で口蹄疫が出たため延期になるところから始まる。そのため国内の農場を訪ねて豚の取材を重ね、豚肉料理のあれこれを作っては食べる。

「イベリコ豚を買いに」野地秩嘉著(小学館 1,620円税込)


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謎だらけのイベリコ豚を追ってスペインへ!

「本当にどんぐりを食べているのか?」「イベリコという町はどこにあるのか?」「安売りセール肉は本物か?」……。
レストラン、スペインバルはもとより、今やコンビニ、回転寿司でもごく普通に売っているイベリコ豚。高級食材として知られているはずのものが、いまや日本全国で手に入るのはなぜか?そもそも、イベリコ豚はそんなに沢山いるのだろうか?
著者はそんな素朴な疑問をいだき、取材を始めた。日本人が知らないイベリコ豚の「真実」を明らかにすべくスペインを目指した著者。幾多の困難を乗り越え、現地に辿り着いた著者を待っていたのは、驚きの連続だった。……。
ローマ時代の遙か昔からスペインで幻の豚を守り育ててきた熱き男たち。そして素晴らしい生ハム作りに命を捧げる職人たちとその家族のドラマを紡ぎながら、知られざるイベリコ豚の生態、そして食肉流通事情を解き明かしていく。さらになりゆきでハム作りにも携わることになり……。
多様なジャンルをテーマに、多くの傑作ノンフィクションを世に出してきた著者がスペインと日本を舞台に描く、読み応えのある食ノンフィクション。

プロローグ
第1章 見てきた人に会う
これが本物だ/口蹄疫
第2章 さまざまなハードル
世界中に500種/北海道での見学/いちばん高い豚/ある決断
第3章 イベリコ豚との対面
まだまだ時間はかかる/レヒーノ一族/ママはこれだ/先祖はイノシシ/
どんぐりを食べない豚/レストランで/スペイン人の食
第4章 生ハムとは何か
デラサの加工場/ギフエロ生ハム村/バラみたいな色/檀一雄の「美味放浪記」/
2005年から2006年/プラド美術館で/砂に埋もれる犬
第5章 新たな3つの仕事
吉岡レポート/マーケットに出ない肉/民事再生/デリバティブの罠
第6章 サバイバル精肉店
肉よりも惣菜/衝撃/オリーブオイル/わたしが売ります
第7章 ポークマーチャントへの道
豚肉商人となる/安比高原でベーコンを試作/伝説の料理人/スペインからのサンプル/これは特別においしい/チェコ風ハムはどうか/銀座のレシピ
第8章 プロと素人
マルディグラ謹製/この人に頼みたい
第9章 新製品完成
2種類の試作品/税関/スティーブ・ジョブズのインタビュー/
申し訳ない/豚肉のカロリー/いつ売るのか/漬け込み時間/
ステーキとハムサンド/歩留まり68パーセント/食は文化/クリスマスイブ
第10章 5度目のスペイン渡航
レヒーノの放牧場/ポルトガルまでの森/屋敷/ローマ時代からの製法/乾杯
エピローグ
あとがきに代えて


イベリコ豚を買いに
小学館
野地 秩嘉

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・発売日:2014年03月31日頃
・著者/編集:野地秩嘉
・出版社:小学館
・サイズ:単行本
・ページ数:253p
・ISBNコード:9784093883658

【内容情報】
前代未聞のハム作りもスタート!?本当にどんぐりを食べているのか?イベリコという町はどこにあるのか?安売りセール品は本物か?幻の豚を追ってスペインへ!現地で明かされた驚くべき事実の数々…。4年にわたる徹底取材!傑作「食ノンフィクション」。

【目次】
第1章 見てきた人に会う
第2章 さまざまなハードル
第3章 イベリコ豚との対面
第4章 生ハムとは何か
第5章 新たな3つの仕事
第6章 サバイバル精肉店
第7章 ポークマーチャントへの道
第8章 プロと素人
第9章 新製品完成
第10章 5度目のスペイン渡航

【著者情報】
野地秩嘉(ノジツネヨシ)
1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。食、美術、ビジネス、人物ルポルタージュ、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞

 本当にスペインのイベリコ豚に会えるのか? そんなミステリーに似たわくわく感に読者を誘い込みながら、内外の畜産事情などを解明していく。そして、どんぐりを食べるイベリコ豚がなぜ貴重なのかを教えてくれる。旅行書としても楽しく読めるものだ。

 同書の著者は、野地秩嘉(のじ つねよし)さん。1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。出版社勤務などを経てノンフィクション作家になる。

 テーマは食、ビジネス、美術、人物ルポなど幅広い。『TOKYOオリンピック物語』(小学館刊)でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。現在は、自動織機から始まった自動車メーカー・トヨタの歴史を執筆中。人生訓は「人間は何をしてもいい、自由だ」。作家のかたわら、イベリコ豚を輸入し、ハム作りに挑戦するのもその生き方の一環である。 そんな著者をたずね、イベリコ豚について聞いてみた。

 レストランや総菜店で最近よく見かける人気の豚肉、イベリコ豚。特別なグルメでなくとも、どんぐりを食べて育つスペインの豚、というぐらいは耳にしているだろう。そして、きっとイベリコ地方の特産なのだろう、と。
 野地さんからは驚くべき言葉が返ってきた。

「実は私もそう思っていました。日本で松坂牛、神戸牛というように、地名に由来するブランドだろう、と。ところが、スペインの地図をいくら見ても、そんな地名はない。それもそのはずで、イベリコとは土地の名ではなく、豚の種類のひとつ、イベリカ種のことだったのです」

 イベリカ種という種類だとわかったところで、著者の好奇心、探究心はつのり、本当にどんぐりを食べるのか、高級・希少というがどれほどのものなのか、多くの「知りたい」を胸にスペインへ飛んだ。

「スペインに渡って、イベリコ豚はヨーロッパに残る唯一の放牧豚だということがわかりました。そして、この豚がいるのは、イベリア半島の中部から南だけ。そこには豚が食べるどんぐりのなる樫の木が生えているからなんです」

 純粋な種が減ってしまった近年、絶滅を避けるために、「イベリコ豚とは母豚が純イベリカ種に限る」などの規定が設けられるようになった。

 そもそもイベリコ豚は、昔からイベリア半島の食文化に深く根づいていたが、冷蔵保存の技術がなかったために、保存食である生ハムにするのが一般的で、この伝統は現在も生きている。

「第二次世界大戦後の貧しい時代は、主にイベリコ豚の脂をパンなどに挟んで食べていたそうですが、確かに、イベリコ豚は脂身が多い。食べてみればわかるのですが、この脂があっさりしていて実にうまい。しかも、体にいいオレイン酸やビタミンB群が多いので、イベリコ豚は、“足のついたオリーブの実”といわれています」

「餌がどんぐりだけというのも実は違います。広大な樫の森に放牧されている豚は、熟した樫の実を食べますが、どんぐりの熟す季節以外は他の餌も食べるし、どんぐりを全然食べないイベリコ豚もいます」

 こう書くとスペインに行けば、簡単にイベリコ豚に会えるようだが、著者が実際にたどり着くまでには紆余曲折があった。そのエピソードや日本で生ハム作りに挑戦する後日談のハラハラドキドキは、ぜひ本書で追体験してほしい。

 著者にはほかにも食に関する著作も多いが、単なるグルメではない。料理を作り出す人、食を取り巻く暮らしや文化を探る著作だ。

「私は子供の頃、ご飯を炊く物音で目を覚まして、明治生まれの祖母から怒られたことがあります。“本来、男の子は刀を手入れする音で起きるものです”って。この祖母は“三白は国を滅ぼす”“男はおやつなど食べてはいけない”とも言っていました。三白とは白米、白砂糖、漂白した小麦粉のことですよ。おやつはなぜか女は食べてよくて、姉は食べていましたけど。おかげで私はいまだに甘いもの、ケチャップやソースの甘みさえも苦手ですね(笑い)」

 本書のために国内でも計り知れないほどの豚肉を食べたが、豚カツもからし醤油で食べるのがいちばんという。

「日本の豚カツのうまさは格別ですよね。生パン粉をつけてさっくりと揚げるというのも、キャベツのせん切りを添えるのも日本だけ。イベリコ豚でなくても、日本の豚で充分。100g158円の肉ともやしで何度も焼きそばを作って食べましたが、いつ作って食べてもうまい。そんな国、他にありませんね(笑い)」

※女性セブン2014年7月3日号

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