【野口健】 「世界遺産にされて富士山は泣いている」…置かれている厳しい現状がどれだけ知られているのか

【野口健】「置かれている厳しい現状がどれだけ知られているのか」
ZAKZAK2014.06.18

http://www.zakzak.co.jp/people/news/20140618/peo1406180830001-n1.htm


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野口健

 「富士山は世界遺産にならないほうがいい」

 1年前、野口さんが発したメッセージは関係者に大きなショックを与えた。「少なくとも現段階では…」という“条件付き”だったが、列島中が富士山ブーム、世界遺産ブームに沸いている最中(2013年6月、富士山の世界遺産登録が正式決定)に、冷や水を浴びせるような発言。

 しかも、長く富士山の清掃活動の先頭に立ち、世界遺産登録でも「推進派」と見なされていた野口さんから発せられた言葉だっただけに世間はビックリしたのである。

 「日本人ほど『世界遺産』が好きな国民はいないでしょうね(苦笑)。それはそれでイイと思うが、富士山の置かれている厳しい現状がどれだけ知られているのか? 入山制限、景観、環境問題…課題山積のまま、『世界遺産ありき』で走ってしまってイイんですか、って思ってね」

 富士山には1シーズン約30万人が登る。昨年は世界遺産効果で、さらに増えた。山頂にまで自動販売機が並び、売店ではビールも売られている。ゴミや屎尿(しにょう)があふれ、山麓は産業廃棄物などの不法投棄のヤマ。つまり、遠くから眺めている分にはキレイな富士山も、そばに寄ればこれほど“汚い山”もない。

 「そもそも1年前の富士山の世界遺産登録は『仮免許』に近い。ユネスコから先の課題について異例の注文を付けられ、1年半後の16年2月までに抜本的な対策を講じて報告書を提出しなければ『危機遺産』リストに入れられ、登録を取り消される可能性だってあるんですよ」

 今年も富士山は間もなく山開きを迎える。だが、対策は遅々として進まない。野口さんは、富士山への思いのたけを新著『世界遺産にされて富士山は泣いている』(PHP新書)に書き、世に問うことにした。

「世界遺産にされて富士山は泣いている」(PHP新書)(PHP研究所 821円税込)


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阿川佐和子さん推薦! 「名誉欲はないけれど好奇心が人一倍。善人にみえるが案外のB面好き。そんな野口健だから、その言葉には真実がある」


美しい「日本の象徴」でいま起こっていることは、日本社会が抱える問題そのものだ!

2013年6月、富士山は世界文化遺産に登録され、日本中が沸き立った。しかしその清掃登山に尽力し、「富士山が世界遺産になったらいいね」といいつづけてきた野口氏は第一報を聞いたとき、悔みに悔みきれなかったという。

「清掃登山に全力を注ぐなかで、環境問題を超える富士山のほんとうの問題に気づいてしまった」。そう野口氏は語る。そこで彼がみたのは「日本の象徴」の背後で既得権にしがみつき、縄張り争いに奔走する「人間」の姿だった。

そうしたなかでひたすら「世界遺産登録」だけを目的に準備が進められてきたことを、綿密な取材を重ねながら本書は描き出していく。そして、じつは今回の世界遺産登録にはユネスコからの「条件」がついていることを、どれだけの日本人が知っているだろうか。

その「条件」をクリアできなかった場合、富士山は「危機遺産」入りもしくは世界遺産登録取り消しすらあり得るのだ! ならば、もつれた人間関係の糸をどう解きほぐし、日本の宝を「守る」ためにいま何をすべきなのか。

そこで野口氏は「富士登山鉄道」など目から鱗のビジョンを次々に打ち出していく。そもそも江戸時代の富士山登山は「弾丸登山」どころか「スローな旅」だった。そうした「ほんとうの観光」のあり方をも描きながら、日本を代表するアルピニストが著した衝撃の一作。


内容例:「それは義務か?」と開き直って怒る中国人/登山客の激増で環境汚染はさらに進む/山梨と静岡で山開きの日が違う! /八合目から上は浅間大社の私有地/山小屋にも渦巻く巨大な利権/「自然遺産」がダメなら「文化遺産」だ! /鎌倉は富士山の「ダミー」になったのか?/めざすべきゴールの違い――毎日新聞との訣別/小笠原諸島の主役は「カタツムリ」/あと10万人の登山者を減らすために/なぜ登山鉄道がとっておきの秘策なのか/スイスのツェルマットに学ぶべきこと/高まりつづける「日本を知ろう」という気運/外国人の評価にあまり追随しないこと/いま僕たちがもつべきは大きな歴史観


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PHP研究所
野口 健

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PHP新書 野口健 PHP研究所発行年月:2014年06月 ページ数:232p サイズ:新書 ISB


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・発売日:2014年06月
・著者/編集:野口健
・出版社:PHP研究所
・サイズ:新書
・ページ数:232p
・ISBNコード:9784569820040

【内容情報】
美しい「日本の象徴」でいま起こっていることは、日本社会が抱える問題そのものだ!複雑に絡まり合う利害関係をどう解きほぐし、国家の宝を後世の人々へと受け継ぐべきか。日本を代表するアルピニストが語った「ほんとうに質のよい観光」とは。

【目次】
第1章 富士山のゴミ問題は解決したのか
第2章 「日本の象徴」の背後でうごめく人間の陰
第3章 不自然すぎる「文化遺産」への鞍替え
第4章 それでも「世界遺産ありき」で人々は動いた
第5章 熊野古道、小笠原諸島の成功に学べ
第6章 「入山規制」と「入山料」を真剣に考える
第7章 究極の切り札は「富士山登山鉄道」
終章 日本の宝物を次代に受け継ぐために

【著者情報】
野口健(ノグチケン)
1973年アメリカ・ボストン市生まれ。亜細亜大学卒業。植村直己氏の著書に感銘を受け、登山を始める。99年エベレスト(ネパール側)の登頂に成功し、7大陸最高峰世界最年少登頂記録を25歳で樹立。以降、エベレストや富士山に散乱するゴミ問題に着目して清掃登山を開始。2007年エベレストのチベット側から登頂に成功。近年は地球温暖化による氷河の融解防止に向けた対策、日本兵の遺骨収集活動などにも尽力。亜細亜大学客員教授、了徳寺大学客員教授、東京都レンジャー名誉隊長、山梨県富士山レンジャー名誉隊長

 中身はなかなか衝撃的だ。富士山の8合目より上は、実は「私有地」であり、規制がままならないこと。政治的な動き、利権の「道具」に長年されてきたこと。世界遺産登録をめぐって決別した全国紙も、さまざまな場面で「影」がチラつく大手広告代理店も、実名で書かれている。

 「匿名で書くぐらいなら、書かない方がマシじゃないですか。もちろん(彼らへの)批判ばかりを書いているわけでもありません。ボクとしては、危機感を大いにあおりたい。いったん富士山を“丸裸”にしてみたかった。1年半後に『期限』が来るのは間違いないのだから、それをバネにして対策を進めてもらいたいのです」

 今月3日には、やはり野口さんが清掃登山の活動を続けているエベレストと富士山との「姉妹山提携」が結ばれた。エベレストでは近年、急ピッチでゴミ、トイレなどの環境問題への対策が進んでいる。そのインパクトを富士山へつなげたい、という思いが強い。

 「もうひとつ、ヒマラヤへもっと日本人の若者に来てほしい、という思いもあるんですよ。最近、来るのは60、70の高齢者ばかり(苦笑)。韓国や中国の若者たちはドンドンやってくるのに、日本人の若者は見かけない。大学の山岳部もめっきり減りました。『日本の勢いの無さ』を感じさせられますねぇ」

 富士山のことで改めて感じたことがある。「強いリーダーシップ」の必要性だ。

 「富士山の問題は『日本社会の縮図』だと思う。利権や政治的思惑が絡み合い、役所は役所で縦割りの弊害…。結局、富士山のことをトータルで考えている人が誰ひとりいないんですね」

 では、野口さんが考える「強いリーダー像」とは何か?

 「責任感や決断力はもちろんですが、自分でストーリーを描き、それに酔える人だ」という。

 今の日本に求められているのは国を引っ張る、強い政治のリーダーであろう。野口さん自身、某政党から再三にわたって出馬要請を受けながら、断り続けている。

 「政治家になるよりも今のポジションにいた方が動きやすい、できることが多いような気がしているから…。それにボクはリーダーになるよりも、そばにいてサポートする方が性に合っているんですよ」 (ペン・大谷順 カメラ・宮崎裕士)

 ■のぐち・けん 登山家。1973年8月21日、米ボストン生まれ。40歳。高校生のときに登山を始め、99年、25歳のときに、7大陸最高峰世界登頂の最年少記録(当時)を達成した。エベレストや富士山の清掃登山や戦没者の遺骨収集活動、地球温暖化問題など幅広いジャンルで活躍。最近はテレビのバラエティー番組の出演も多い。





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