JR九州・ななつ星 「30億円の額縁」と呼ばれる風光こそ魅力

JR九州・ななつ星 「30億円の額縁」と呼ばれる風光こそ魅力
NEWSポストセブン2014.04.23 07:01

http://www.news-postseven.com/archives/20140423_252565.html?PAGE=1


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【久大本線を走るクルーズトレイン「ななつ星」】

 日本初のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の運行開始から早や半年。破格の料金ながらその人気は高まるばかりだ。総工費30億円の贅を尽くした車内に、極上の食事ともてなし──。新刊『「ななつ星」物語 めぐり逢う旅と「豪華列車」誕生の秘話』(小学館)を上梓したノンフィクション作家・一志治夫氏が、その誕生秘話を紹介する。

『「ななつ星」物語 めぐり逢う旅と「豪華列車」誕生の秘話』一志治夫著(小学館 1,512円税込)


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一志治夫 小学館発行年月:2014年04月21日 ページ数:237p サイズ:単行本 ISBN:97


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・発売日:2014年04月21日
・著者/編集:一志治夫
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・ページ数:237p
・ISBNコード:9784093883542

豪華寝台列車『ななつ星in九州』開発秘話

2013年10月15日、豪華寝台列車『ななつ星in九州』が運行を開始した。定員30人、14室すべてがスイートという7両編成の列車にかけられた製造費はおよそ30億円。豪華客船が寄港地を巡るように、列車の旅と観光を組み合わせた日本で初めてのクルーズトレインである。九州7県を周遊する3泊4日のコースと九州北部を周遊する1泊2日のコースで運行され、ひとり約18万円~70万円という破格の料金にも関わらず、半年先まで予約が完売。この夢の列車はどのように開発されたのか。四半世紀に渡ってJR九州の観光列車を手がけてきたデザイナーの水戸岡鋭治とJR九州社長・唐池恒二が目指した「九州を元気にする」列車は、その豪華さからは想像もできないような苦難の末に誕生した。「手間こそが感動」と妥協を許さない唐池と水戸岡の斬新なアイディアによって設計と仕様は何度も変わり、その度に現場は大混乱に陥った。車両製造の技術者、内装の職人、サービスクルー、宿泊と食を任された沿線の人々が、「犠牲を伴わないものに感動はない」と言い切る水戸岡の情熱に挑んだ熱き魂の物語。豪華な車内と食事、沿線の絶景が凝縮された16ページの口絵付き。

【編集担当からのおすすめ情報】
JR九州のクルーズトレイン『ななつ星in九州』に関する初めての書籍となります。JR九州の全面協力により、ノンフィクションライター一志治夫氏によって明かされた手に汗握る開発秘話。16ページの口絵には、豪華な車内と食事、沿線の絶景を凝縮。

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 ひとり約70万円という最上級のデラックススイート(3泊4日コース)は、195倍という抽選倍率(第4期募集)で締め切られた。昨年10月15日に運行を開始した豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」の人気は衰えを知らない。
「ななつ星」の機関車と客車7両に投じられた費用は30億円以上。長崎など九州北部をまわる1泊2日と九州5県を巡る3泊4日のコースがあり、乗車定員はそれぞれ30名。年間わずか3千人足らずの乗客しか乗ることができない狭き門である。

 鉄道史に残る豪華寝台列車を企図したのは、JR九州の唐池恒二社長だ。唐池は、2009年に社長に就任して以来、「A列車で行こう」や「指宿のたまて箱」など九州内を走る観光列車(デザイン&ストーリー列車=D&S列車と称される)を次々と仕掛け成功させてきた。「ななつ星」は、いわばそれらの集大成とでもいうべき列車である。

 デザインを担当したのは、これまでもD&S列車のすべてを任されてきた水戸岡鋭治。この2人の情熱、いや狂気こそが、JR九州や日立製作所の技術者、家具職人など多くの人々を動かし、希代の列車を誕生させたのだ。

 たとえば、初めて挑むことになった福岡県大川市の組子職人に対して、水戸岡は、「やるという気持ちがなかったら何もできない。問題は出てくるだろうけれど、最初にそんなことを考えたら、新しいことなんか何もできない」と発破をかけ、見事に組子を車内に設えてみせた。

 車内サービスもまた、ゼロからのスタートだった。目指したのは、「高級ホテル」や「高級旅館」。「やま中」の鮨をはじめ、「食」は徹底的に吟味され、また新たに集められたクルーたちはトレーニングを重ねた。

 食事、内装、訪問地といずれも魅力的なメニュー満載の「ななつ星」だが、実は、最大の魅力は九州の豊かな風光である。朝夕の景色の移ろいを車窓から眺める贅沢を、唐池は、「30億円の額縁」と名づけた。

 もっとも、「ななつ星」は、何も限られた乗客のためだけにあるわけではない。ブランド化に成功した「ななつ星」は、いまや野菜を運び入れる農家、食事を提供する料理店、さらには沿線住民をも巻き込んで、7県で暮らす人々にとっての「誇り」にさえなっているのである。
写真提供■JR九州
※週刊ポスト2014年5月2日号



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