水道水なのにファン多数「ちちぶの水」 橋立浄水場 珍しい「緩速ろ過方式」 (東京新聞9月20日)

【埼玉】
水道水なのにファン多数「ちちぶの水」 橋立浄水場 珍しい「緩速ろ過方式」
東京新聞2013年9月20日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20130920/CK2013092002000134.html


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 秩父市大宮の道の駅「ちちぶ」にある水くみ場。「ちちぶの水」と書かれ、こんこんと水が流れ出す。実は、使われているのは市街地に供給されている水道水で、無料で持ち帰ることができる。観光客の中には「わき水じゃないのか」と残念がる人もいるが、定期的にくみに来る熱心なファンも多い。ある意味で不思議な水だ。 (羽物一隆)


 週に一度ほど訪れるという本庄市の男性(74)は、二リットルサイズのペットボトルを十数本持ち込み、次々と水をくんでいた。「水道水とは知っているが、この水の味が気に入っている」


 「ちちぶの水」を供給しているのは、秩父市橋立(はしだて)浄水場。標高三百メートルの市南西部にあり、荒川支流から水を引く。一九二四(大正十三)年に、県内で最初の浄水場として建設された。


 特徴としては、現在では少なくなった「緩速ろ過方式」を維持していることだ。この方式は処理量は少ないが、微生物の膜を通過させて水をきれいにする。主流の「急速ろ過方式」は、薬剤を使って水のにごりを固めて沈みやすくするが、「緩速」では使用しない。水源が澄んでいる浄水場に適しており、供給する水は細菌が少なく、塩素量や濁度などの品質が良いという。


 ただ、橋立浄水場も今後は機器の更新時に合わせ、徐々に急速ろ過方式に切り替えていく方針だ。理由は、「ゲリラ豪雨」や「爆弾低気圧」などによる局地的な大雨の増加だ。急な増水で川が濁ることが多くなり、安定供給のためには「急速」の方が適するという。


 市浄水課の担当者は「毎週月曜日に水質検査を行い、どの処理をした水でも品質に差が出ないように気を配っている。今後は、秩父の水のおいしさを研究して、PRにも活用できるようにしたい」と話している。

◆天然の名水も豊富


 山々に囲まれている秩父地方は、天然の名水にも恵まれている。代表的なものが、環境省の「平成の名水百選」に選ばれている武甲山(ぶこうざん)伏流水(秩父市)と毘沙門(びしゃもん)水(小鹿野町)だ。


 武甲山伏流水は、武甲山と荒川の間にある河岸段丘を流れる地下水。祭りや酒造りと関わりが強く、市民生活とも結び付きが強い。毘沙門水は小鹿野町藤倉にある石灰質の山のふもとでわき出る。カルシウムやミネラルが豊富とされている。






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