【風景手帳 横田健一郎[6]】 倉賀野神社 品格薫る古き社 (東京新聞2013年9月5日 群馬)

【群馬】
風景手帳 横田健一郎[6] 倉賀野神社 品格薫る古き社
東京新聞2013年9月5日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20130905/CK2013090502000158.html


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 猛暑が続き、外にいるだけで、くらくらと息苦しくなるような日が続いていた。


 そんなある日、個展後の納品のため、高崎市の倉賀野神社へ出向いた。高崎に長く住んでいるが、倉賀野は訪れたことがなく、わくわくした。


 倉賀野中学校の前にある神社の境内は、クスノキや淡い緑色の木々に囲まれ、神社は動物などをモチーフに丁寧に彫られ、黒茶系の品格のある造りだ。


 権禰宜(ごんねぎ)に神社の歴史、物語を伺い、拝殿に招いていただいた。


 一礼して中に入ると、畳4畳ほどの大きな龍(りゅう)の墨絵が飾ってあった。作者は狩野探雲で、浅間山の大噴火から4年後の天明7(1787)年の作。「厄除(やくよけ)雲龍」の名を持つという。


 迷いを感じさせない迫力と作者の人間味が表現されていた。納品に来たことも忘れ、しばらく足を止めた。


 神社の歴史と探雲の絵に心を動かされ、神社の美しさの理由が分かった気がした。日が暮れるまで、スケッチの筆を進めた。

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