<食卓ものがたり>  深層水あわび(富山県入善町) うま味、甘み成分たっぷり 

【暮らし】
<食卓ものがたり>深層水あわび(富山県入善町) うま味、甘み成分たっぷり
東京新聞2013年7月27日



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海洋深層水で育てられているアワビを手にする熊谷敬之さん=富山県入善町で


 日本で最も深い湾の一つである富山湾。入善漁業協同組合(富山県入善町)は、入善沖の水深三八四メートルからくみ上げた海洋深層水を使ったアワビ養殖に取り組む。「深層水あわび」と銘打って売り出し、特産品として軌道に乗せつつある。


 「試行錯誤をしても結果が出るのが二、三カ月後。どうしてそういう結果になったのか知るのが難しいんです」。同漁協あわび課の主任熊谷敬之さん(40)が、三トンもの深層水をたたえた水槽四十基がずらりと並ぶ養殖場で話してくれた。


 町が二〇〇二年に海洋深層水の活用施設を整備したことを受け、国内で初めて深層水を使ったアワビ養殖を始めた。飼育は難しくないという話だったが、養殖開始二年目以降には成育不良で多くのアワビが死んでしまったこともある。水槽に改良を加えるなどして、死亡率を抑えた。今でも、順調に育っているように見えて成長が止まっていることもあるといい、手探りの改善を続けている。


 三、四センチの稚貝を一年から一年半かけて七センチ程度まで大きくし、出荷する。天然のアワビに比べて小ぶりだが「うま味は強い」と熊谷さん。一般的な海水に比べ、塩分とミネラルが多い深層水で育ったアワビは、うま味成分や甘み成分が天然ものに比べて多く含まれているという。


 環境にも配慮している。くみ上げた深層水の水温は一~二度。以前は養殖用に適温まで燃料を使って加温していたが、隣接する敷地にパックご飯をつくる工場を誘致。深層水を工場の冷房に利用して温めることで、燃料費削減につなげた。


 ほとんどが富山県内のホテルや旅館、料理店に出荷されており、課題は知名度の向上だ。同漁協参事の飯田晃広さん(44)は「深層水あわびを目当てに県外から人が集まるよう、魅力を発信してブランド化を図っていきたい」と意気込む。


  文・写真 稲田雅文


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<味わう>


 深層水あわびを気軽に味わってもらおうと、入善漁協は毎年この時期に直営の「深層水浜焼き屋」を、入善町の入善海洋深層水活用施設で営業している。9月1日まで。


 今年で4年目で、アワビをはじめとした魚介類を炭火で焼いて味わうことができる=写真。養殖アワビは1個600円。アワビのほか、イワガキ、サザエ、ホタテ、エビがセットになった「浜焼きセット」は1600円。


 同施設のほか、名水百選の「黒部川扇状地湧水群」や国天然記念物「杉沢の沢スギ」など、水が豊富な同町の見どころを巡った後の休憩にぴったり。午前10時から午後4時まで営業し、月曜休業。

問い合わせは、浜焼き屋=電0765(76)9100=へ。

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