「海女のいる風景 昭和の美しい海の女たち」大崎映晋著(自由国民社 1890円)

「海女のいる風景 昭和の美しい海の女たち」大崎映晋著(自由国民社 1890円)
【書籍・書評】
日刊ゲンダイ2013年6月20日 掲載

http://gendai.net/articles/view/book/143023

<裸で海に潜る昭和30年代の海女たちを活写>


画像


 水中撮影の世界的パイオニアである著者が、1955年から60年代にかけて取材した日本各地の海女たちの働く姿をとらえたフォトエッセー集。

 30年以上をかけて全国の海女村200カ所以上を訪ね歩いてきた著者が、中でも足しげく通ったのが石川県能登半島から約50キロ離れた洋上に浮かぶ舳倉島だ。舳倉島の海女は、その昔、加賀藩主に海の幸を献上した功績により、天領に住む士分を許され、「海士」と称されるようになったという。

 舳倉島の海域には毒性があるシロガヤなどの生物がいないので、磯着を着る必要もなく、海士たちは全員がハチコと呼ばれる最小限のふんどしと、タクナワ(命綱)、そして水中眼鏡というほとんど全裸に近い姿で、水深なんと30メートルから50メートルの海底まで潜り、アワビなどを捕る。

 島の子どもたちは3歳くらいから浅い入り江で潜りをならいはじめ、一人前の海士になると、潜りに適応して体温は38度ほどを維持し、3分は海に潜っていられるそうだ。

 過酷な労働で鍛え上げられた体は、海中の中でしなやかに動き、人魚さながらの美しさだ。獲物を求めて全神経を集中し、無駄な動きが一切ない彼女たちの体の美しさは、官能というよりはまさに機能美といえよう。

 その他、韓国との国境の島対馬や、著者がカンヌ映画祭のドキュメンタリー部門で受賞した映画を撮影した伊豆の坂戸、房総半島などで撮影した海女らの写真を収録。

 作家の椎名誠氏や、三重県鳥羽の美人母娘海女との対談、海女にまつわる伝説、そして土地によって異なる道具類の解説など、今ではすっかり変容してしまった海女文化を伝える貴重な資料としても読みごたえがある。


.
海女(あま)のいる風景
自由国民社
大崎 映晋

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 海女(あま)のいる風景 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル




海女のいる風景 [ 大崎映晋 ]
楽天ブックス
昭和の美しい海の女たち 大崎映晋 自由国民社 <table border="0"


楽天市場 by 海女のいる風景 [ 大崎映晋 ] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック