「I LOVE TRAIN アジア・レイル・ライフ」米屋こうじ著(ころから 2310円)

「I LOVE TRAIN アジア・レイル・ライフ」米屋こうじ著(ころから 2310円)
【書籍・書評】
日刊ゲンダイ2013年4月4日 掲載


<人の暮らしと近いアジアの鉄道>


画像


 アジア各国の鉄道風景を撮影した写真集。

 表紙にもなっている、走る列車の乗降口に腰かけ、並走する列車から著者が構えるカメラに向かって屈託のない笑顔を見せるインドの若者たち。この笑顔が物語るように、アジア各国の鉄道の風景は、効率や安全が優先する日本の鉄道が失ってしまった自由でおおらかな空気に包まれている。

 そして何よりも鉄道と人の暮らしが近い。線路脇が市場になり、線路ぎりぎりまで商品の果物が並べられたタイ・メークロン線の終着駅、韓国の慶北線・咸昌(ハムチヤン)駅ホームの満開の桜の下で花見の宴をする女性たち、中国の山あいの桃源郷のような景色の中、線路を歩いて家に向かう少女たちなど。鉄道と住人たちのそんな日常を、昔の日本の風景を懐かしむような温かい視線で切り取っていく。

 アジアの鉄道は、のどかさだけではなくエネルギッシュさも備え持っている。バングラデシュでは、毎年恒例のイスラム教徒の大集会「イステマ」に向かう人々が客車に収まらず屋根にまで鈴なりになっている。著者もカンボジアで屋根乗車を体験。それは「乗客のみんなが同じ目的地を目指している」という連帯感が強くなり、不思議な感覚だったという。

 銃撃から運転士を守るため、鉄仮面のような装甲板をつけた機関車やガラス窓がない客車など、内戦の後遺症が残るカンボジアの列車や、信号が自動化される前に利用されていたタブレットという通行証を自転車のかごに入れて運ぶ台湾の駅員、日本製の古い車両が使われていた中国・大連の路面電車など、今となってはもう二度と見られない風景もある。

 東南アジアを中心に20年をかけて11カ国を巡った「アジ鉄」写真が、異国での各駅停車の旅へと誘う。


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