【親子でぶらり 学べるスポット】 釈迦、孔子、ソクラテス… 哲学堂公園(東京都中野区)

【親子でぶらり 学べるスポット】
釈迦、孔子、ソクラテス… 哲学堂公園(東京都中野区)
東京新聞2013年4月4日



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哲学堂の園内。右の塔が六賢台、奥の建物が四聖堂

 風変わりな公園だ。園内の各スポットに付けられた名前が、である。
 例えば入り口にある石柱は「哲学関(てつがくかん)・真理界」。これから先は「宇宙の真理を味わい、人生の妙趣を楽しむところだ」という意味を持たせたのだという。
 東洋大学の創立者で哲学者、妖怪博士の名もある井上円了(えんりょう)が、明治37年に創設した。小高い丘を利用して造られた園内には古い木造建築が残る。「哲学を普及させることを使命と考えていた円了が、『西洋にはある心を養う公園が日本にない』と造ったものです」と同公園管理事務所の高橋一平所長は話す。
 名前の付けられたスポットは77カ所で順路がある。冒頭の石柱の間を通るとすぐに左手に「哲理門(てつりもん)」。俗称妖怪門で、門の右に天狗(てんぐ)、左に幽霊の彫刻が置かれている。正面に公園の中心となる「釈迦(しゃか)、孔子、ソクラテス、カント」を祀(まつ)った「四聖堂(しせいどう)」が見えるが、この門から園内に入ってはいけない。垣根の横を通って、「常識門」から入る。近くにある「髑髏庵(どくろあん)」で俗塵(ぞくじん)にまみれた心を死滅させ、隣の「復活廊」で哲学的な心眼を開く心を蘇生させる。こうしてようやく園内に入れるのだ。
 建物だけでなく、道や広場、池や石などにも「時空岡(じくうこう)」「懐疑巷(かいぎこう)」などの名前が。都内とは思えない園内の静けさにも助けられ、説明を読みながら散策するうちに、何となく「宇宙の真理」とはなんぞや、なんて考えそうになるから不思議だ。
 ところで、「四聖堂」の4人はどうして祀られているのか。「円了が世界の四賢人と考えた、としか説明のしようがないんですね」と高橋さん。 (仁)
 ★哲学堂公園 東京都中野区松が丘1の34、西武新宿線新井薬師前駅徒歩12分。入園無料。ゴールデンウイークと10月の土日祝日には、四聖堂、六賢台などの建物の内部を公開(一部建物は入場不可)。霊明閣は3人以上のグループで句会などに低料金で利用可。要予約。(電)03・3951・2515。


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●足を延ばせば…
 ★御囲跡 中野区中野4の8、JR中野駅徒歩2分。5代将軍綱吉(1646~1709)が出した「生類憐(あわれ)みの令」により急増した野犬を収容する保護施設として、幕府は90万平方メートルを超える敷地に犬小屋を造った。最盛期には、8万頭の犬が収容されていたという。中野区役所前には、その由来を記した碑と犬像が立てられている。
 ★山崎記念中野区立歴史民俗資料館 中野区江古田4の3の4、西武新宿線沼袋駅徒歩8分。中野区の歴史を実物資料を使って紹介。今は見ることができない宝仙寺三重塔の復元模型や、昭和の末まで、旧家で使用されていた台所の実物も展示。原則月曜と第3日曜休館。入館無料。(電)03・3319・9221。
◆ひとこと
 「園内の建物には、例えば天狗をモチーフにした瓦が使われていたりして、細かいところにいろんな工夫がありますよ。難しい言葉はちょっと、と引かずにぜひ一度散策してください」と高橋さん。

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