読売赤っ恥?! 「国民栄誉賞」上毛新聞がスクープの怪 永田町で飛び交う観測

読売赤っ恥?! 「国民栄誉賞」上毛新聞がスクープの怪 永田町で飛び交う観測
ZAKZAK2013.04.02



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昨年1月、中畑清氏の横浜監督就任を祝う会に出席した松井氏(左)と長嶋氏。2人は華やかな場所が似合う


 国民栄誉賞をめぐる、大スクープの背景が注目されている。政府は、プロ野球読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏(77)と、巨人や米大リーグ・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(38)のダブル授与を決めたが、これを真っ先に報じたのは2人と関係が深い読売新聞ではなく、なぜか、群馬県の地方紙「上毛新聞」(本社・前橋市)だったのだ。授与を決断した安倍晋三首相のしたたかな戦略や、実現度が高まる松井氏の巨人監督就任説など、衝撃ニュースの全真相に迫った。

長嶋、松井両氏に国民栄誉賞 球界の2人同時授与へ
上毛新聞2013年4月1日(月) PM 10:00


 政府は1日、プロ野球元巨人監督の長嶋茂雄(77)、巨人や米大リーグのヤンキースで活躍した松井秀喜(38)両氏に、プロ野球発展に貢献したなどとして国民栄誉賞を授与する方針を決めた。

 長嶋氏は国民的スーパースターとして「ミスタープロ野球」と呼ばれた。菅官房長官は会見で「社会に夢と希望を与えた。野球界の発展に貢献した」と説明。団体受賞した「なでしこジャパン」の例を除き、初めて同じ分野の2人が「セット」の形で同時に授与される見通しだ。

 安倍首相は長嶋氏について「戦後の最高のスーパースターだ。もっと早く決定すべきだった」と、松井氏は「日米で愛された」と述べた。


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 2000年10月、日本一を達成し、観客の声援に応える(左から)巨人の長嶋茂雄監督と松井秀喜外野手=東京ドーム


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 松井秀喜氏(左)、長嶋茂雄氏

 野球界にとどまらず、戦後日本を代表する国民的スーパースターで、「ミスタープロ野球」と呼ばれた長嶋氏。巨人軍と大リーグで20年間活躍し、2009年にはヤンキースのワールドシリーズ制覇を成し遂げ、同シリーズの最優秀選手(MVP)に選出された松井氏。

 ともに国民栄誉賞の資格を十分に持っている2人だが、これをスクープしたのは上毛新聞の1日朝刊だった。それも、1面に「長嶋、松井氏に国民栄誉賞」というベタ黒(黒地に白抜き)の見出しはあるが、記事自体は2面の天気予報の上に「球界から2人同時」という見出しで、本文26行という、やや拍子抜けする扱いだった。

 エープリルフールだったうえ、上毛新聞が、長嶋、松井両氏とは縁遠い北関東の地方紙だったこともあり、県内では大スクープにすぐ気付く人は少なかったようだ。夕刊フジの取材に、全国紙の前橋支局記者は「通信社の原稿だろうと思っていた…」といい、上毛新聞の記者までが「えっ、ウチの抜き(=スクープ)なの?」と驚いたほど。

 記事の最後には「政府が1日正式発表する見通し」とあり、現実にその通りになったが、スクープの裏側はどうなっていたのか。

 上毛新聞広報は「デリケートな話なので、詳細はお答えできない」と回答したが、事情を知る同社幹部はこう明かす。

 「今回のスクープは、記者が別の取材の過程で得たネタだ。マスコミ各社から『どうして抜けたのか?』と問い合わせが殺到しているが、私自身も信じられない思いだ。各方面への影響を考慮して、締め切り直前まで紙面掲載の是非が検討された」

 同紙は、映画にもなった横山秀夫氏の人気小説「クライマーズ・ハイ」のモデルとなった。物語では、航空機事故の墜落原因をめぐるスクープ記事の掲載を、取材班の全権デスクが迷って断念する場面が登場するが、現実の上毛新聞は掲載に踏み切ったわけだ。

 2面で小さく報じたことについて、先の同社幹部は「1面は地元ネタで、全国紙ネタは載せない-というのが編集方針。さすがに国際テロ組織アルカーイダの指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者が射殺されたときは1面にしたが、今回は従来の方針に沿って紙面製作した」と語った。

 上毛新聞が超特ダネを取れた理由について、永田町では、さまざまな説が飛び交っている。

 「群馬県は、福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三、福田康夫と首相4人を輩出している。未確認だが『福田康夫氏が集会で漏らし、それを上毛新聞が聞きつけた』という情報もある」(官邸周辺)

 「巨人の球団会長で、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長兼主筆と、中曽根氏も近い。こうした筋も見過ごせない」(自民党中堅議員)

 官邸内の内閣記者会では1日朝から、読売新聞の記者が慌ただしく動いていたことが確認されている。他社の記者らは「読売が何か抜きそうだ」と戦々恐々としていた。

 上毛新聞の報道を受けて、菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、「私もそうなればいいなと思っている1人だ」としながらも、「まだそうした方向性が決まっているわけでも何でもない」と述べるにとどめた。その後も政府高官は「エープリルフールだ」とはぐらかした。

 しかし、長嶋、松井両氏への国民栄誉賞授与は事実で、読売は夕刊1面トップで追いかけた。

 官邸周辺は「読売は号外まで出したが、大筋は上毛新聞の報道どおり。読売の渡辺会長の存在感などを考えると、国民栄誉賞授与を知らなかったとは考えられない。報じるタイミングを図っていたところ、上毛新聞に抜かれたのでは。今後、責任問題に発展しなければいいが…」と語る。

 国民栄誉賞は広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えたことなどが選考理由となる。安倍首相は同日夕、「(長嶋氏は)戦後最高のスーパースターだ」といい、「(松井氏は)日米ともに愛された野球選手だった」と語ったが、このタイミングで授与を決めた背景は何か。

 関係者によると、最初に国民栄誉賞授与の対象に上ったのは松井氏で、安倍首相が昨年12月29日、東京電力福島第1原発視察のための東北新幹線の車中で発案したという。

 安倍首相は当時、民主党政権が壊した日米関係を修復するため、早期訪米を実現させようと動いていた。松井氏は日本球界と米大リーグで活躍して、直前に引退表明(同月27日)したばかりで、授与を土産に、日米友好をアピールしたい狙いもあり、極秘に検討を指示した。

 さらに、1月中旬、元横綱大鵬の納谷幸喜氏が死去したことで、長嶋、松井両氏へのダブル授与のアイデアが浮上したという。

 「納谷さんへの国民栄誉賞が没後(2月授与)となったことに、『遅い。生前に授与すべきだった』という声が相次いだ。さまざまな意見を聞き、配慮した結果だろう」(閣僚経験者)

 最終的に発表が4月1日になったのは上毛新聞のスクープ記事が契機だったが、政治評論家の浅川博忠氏は「安倍首相のすさまじい執念を感じる」といい、こう続ける。

 「これまで、国民栄誉賞は支持率が下がった内閣が、政権浮揚のために授与してきた面がある。ところが、安倍内閣の支持率は70%前後、自民党は40%以上とかなり高い。安倍首相としては、今年夏の参院選での勝利を確実にするため、念には念を入れているのでは。さらに、円安で輸入価格が上昇して、1日以降、食品や電気・ガス料金などの値上げが続くが、これらを打ち消す意味もあるのかもしれない」

 劇的なニュースの陰には、さまざまなドラマが潜んでいるようだ。

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