【世界遺産旅行講座】 中世の薫りを未来へ運ぶバルトの一国、リトアニアの「森の都ヴィリニュス」

連載:世界遺産旅行講座
中世の薫りを未来へ運ぶバルトの一国、リトアニアの「森の都ヴィリニュス」
★リトアニア・ヴィリニュス
ZAKZAK2013.04.26

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130426/dms1304260711013-n1.htm


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ゴシック建築の傑作聖ペトロ&パウロ教会

 ウイスキーの色にもたとえられる琥珀(こはく)は、松などの植物の樹脂が化石となったものですが、バルト海産のものが有名です。バルト海は氷河の水が多く流れ込むため、塩分が少ないこともあって良質の琥珀が取れると聞きましたが、今回はその特産品の琥珀で知られるバルト三国のリトアニアをご紹介します。

 リトアニアはバルト諸国で唯一カトリックを信仰する国であり、森と草原が広がる美しい国です。夜の最も短い「ヨーニネスの日(6月24日)」には、植物と水が病を治す力を得て大地を豊饒(ほうじょう)にするとされ、ロマンチックな祭りが行われています。すなわち、この夜だけ咲くというシダの花を求め、人々はかがり火をたいて皆で森へ分け入るそうです。

 世界遺産に登録されているヴィリニュスの町は、そんな国の首都にふさわしく、濃い緑に包まれた静かな町です。町を見渡す丘にはゲディミナス塔が建っていて、ここから眺めると眼下には緑の中に赤茶色の屋根が点々と見え隠れする旧市街。またはるか遠くに目をやるとひたすら深い森が広がり、まるで緑の海に浮かぶ島という感じがします。


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ヴィリニュスのシンボル大聖堂

 ヴィリニュスの新市街には18世紀のバロック建築が多いのですが、聖ペトロ&パウロ教会はその中でも数少ない17世紀バロックを代表する建築物です。白く優雅な外観は貴婦人のように美しく、教会内部の細かな装飾や彫刻には荘厳さが漂っています。その中の聖人像の彫刻の中でも「マグダラのマリア像」は、彫刻家のペレテが自分のリトアニア人の妻をモデルにしたためか、17世紀風の衣装をまとっていてとてもユニークです。


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ユニークなマグダラのマリア像

 旧市街ではヴィリニュスのシンボルであるネオ・クラシック様式の大聖堂、1579年にイエズス会によって創立された歴史のあるヴィリニュス大学、ゴシック建築の傑作である赤レンガの聖アンナ教会が見どころです。日本人であればリトアニアの日本領事であった「日本のシンドラー」こと杉原千畝(ちうね)氏を紹介するユダヤ博物館も訪れることをお薦めします。


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「日本のシンドラー」杉原千畝記念碑

 第2次大戦時、ナチスに追われてポーランドからリトアニアに逃れてきたユダヤ人に対して、彼は政府の反対を押し切って日本通過のビザを発給し、その結果6000人ものユダヤ人の命が救われたといわれています。日本人にとってなじみの薄いリトアニアですが、日本人外交官・杉原氏の行為は、日本人としての誇りを取り戻す本当の世界遺産かと思います。

 ■黒田尚嗣(くろだ・なおつぐ) 慶應義塾大学経済学部卒。現在、クラブツーリズム(株)テーマ旅行部顧問として旅の文化カレッジ「世界遺産講座」を担当し、旅について熱く語る。





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