3年ぶりヨシ焼き 強風で炎広がり、物置焼く 渡良瀬遊水地 (東京新聞2013年3月18日 朝刊)

【社会】
3年ぶりヨシ焼き 強風で炎広がり、物置焼く 渡良瀬遊水地
東京新聞2013年3月18日 朝刊



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3年ぶりに再開されたヨシ焼き。強風で予定以上の面積を焼き、民家の物置も全焼した=17日午前、栃木県小山市の渡良瀬遊水地で(川柳晶寛撮影)

 栃木、茨城、群馬、埼玉の四県にまたがる渡良瀬遊水地で十七日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で二年続けて中止になったヨシ焼きが三年ぶりに行われた。

 周辺住民の中には、灰と一緒に放射性物質が拡散することを懸念する声があった。灰の拡散を防ぐため、これまで焼いていた面積の四割に当たる六百ヘクタールを燃やす予定だったが、強風で炎が広がり約九割が焼けた。周辺住民にとっては、新たな不安が広がる事態となった。

 ヨシ焼きは樹林化防止や害虫駆除など遊水地の環境を保全するため、毎年この時期に実施してきたが、二〇一一年は震災後の混乱で中止。昨年は放射性物質の拡散を心配する住民の求めで中止になった。

 植物の生育に悪影響が出ており、自然保護団体などが再開を要望。国土交通省利根川上流河川事務所や周辺自治体でつくる協議会が、埼玉大大学院教授に調査を依頼し、「安全性に問題はない」との結果を受け再開した。

 主催者によると、この日は風の影響で火が予定以上に広がり、遊水地に隣接する民家の物置が全焼した。見物客は一万三千九百人(主催者発表)だった。

◆「放射性物質どうなる」 想定以上に燃焼も

 周辺住民に反対や不安がある中で、三年ぶりに実施された渡良瀬遊水地のヨシ焼き。事前に安全性を調査したり、面積も縮小したりして慎重に臨んだはずだったが、強風で予定面積の倍以上が燃えた。遊水地の外にあった物置まで全焼し、住民に新たな不安を与える結果になった。

 これまでヨシ焼きは、遊水地の利用者でつくる渡良瀬遊水地利用組合連合会が行ってきたが、今回は周辺自治体や消防機関も参加する渡良瀬遊水地ヨシ焼き連絡会が主催した。公的機関も加わって万全を期すためだった。

 連絡会によると、悪天候の場合は延期するはずだったが、その判断をする午前六時の時点で風が弱かったため実施を決定。その後、風が強くなったという。連絡会は物置の所有者に謝罪した。

 自然保護団体と共にヨシ焼き再開の要望書を提出した、地元の治水団体の米田弘会長(77)は、栃木県小山市の自宅近くの堤防からヨシ焼きを見届けた。「感無量」といったんは喜んだという。

 だが、その後に火が大きく燃え広がった。米田さんは「あってはならないこと。再開を要望したわれわれとしては心苦しい」と心境を吐露した。

 防火帯が役立たなかった点について「今後の課題。大きな問題になるだろう」と話した。

 昨年に続き、今年も関係機関にヨシ焼き中止を求めた小山市の放射線技師(30)は「原発事故後、最も規模が大きい野焼きだったのではないか。上昇気流で拡散された放射性物質の総量を考えると怖い」と指摘した。

 仲間の中には、この日、東京都や埼玉県に避難した人や、家の窓を閉め切って子どもを外に出さないようにした人もいたという。「ヨシ焼きの安全性は信用できない」と強調した。

 「周辺自治体が観測している空間放射線量の変化を確認し、数値が上がっていれば、来年は中止するよう自治体などに電話したい」と話した。 (稲垣太郎)

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