吉川英治が寄り添う姿 歌に 夫婦梅 伐採へ (東京新聞2013年3月3日 朝刊)

【社会】
吉川英治が寄り添う姿 歌に 夫婦梅 伐採へ
東京新聞2013年3月3日 朝刊



画像

吉川英治記念館の庭園の梅の木。背の低い紅梅の奥に背の高い白梅がある。吉川英治は2本が寄り添う姿を愛し、歌に詠んだ=東京都青梅市で(資料写真、同館提供)


 大衆文学の巨匠、吉川英治が愛したとされる紅梅と白梅の老樹二本が、ウイルスに感染したことが分かった。吉川英治記念館(東京都青梅市)の庭園の梅で、同館はこの二本を含む二十四本を今月中に伐採する。

 紅白二本の梅の木を仲むつまじい夫婦に見立てて、吉川が詠んだ歌がある。

 白梅は紅梅に倚(よ)り

 紅梅は白梅に添ひ

 双照 双映

 いよいよ白く

 いよいよ紅(あか)し

 同館によると、現在も庭園にある二本が、歌の題材だという。

 多摩川の清流を愛した吉川は戦中の一九四四年三月、東京・赤坂から家族と青梅市に疎開。農家の屋敷を買い取り、「草思堂」と名づけた。ここで「新・平家物語」の執筆を始め、地元の若者たちを集めて俳句を指導。戦後の五三年八月、品川区に新居を構えるまでを過ごした。記念館は七七年、草思堂の一角に開館。梅の名所「吉野梅郷」の西端にあり、庭園にも疎開前から多くの梅の木があった。吉川も植樹し、現在八十本を超える。

 歌に詠まれた二本が感染したのは「プラムポックスウイルス」。果樹に感染するウイルスで、二〇〇九年に世界初の梅の感染例が青梅市で見つかった。感染すると葉や花びらに斑紋などが現れる。吉野梅郷では拡大を防ぐため毎年、感染が確認された多数の梅を伐採している。

 同館学芸員の片岡元雄さんは「昔からある梅が切られるのは残念」と悔しがる。同館は「お別れ企画」として、梅をテーマに俳句を募集している。三十一日締め切り。


三国志 文庫 全8巻 完結セット (吉川英治歴史時代文庫)
講談社
吉川 英治

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 三国志 文庫 全8巻 完結セット (吉川英治歴史時代文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル











この記事へのコメント

この記事へのトラックバック