【親子でぶらり 学べるスポット】都会のオアシスを歩く 国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区)

【親子でぶらり 学べるスポット】
都会のオアシスを歩く 国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区)
東京新聞2013年3月28日



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手付かずに近い自然が残る自然教育園=東京都港区白金台で

 高級住宅街として知られる東京・白金近くに、東京ドーム4個分以上の手つかずに近い自然が残っている。
 中世は豪族の所領で、江戸時代は増上寺の管理を経て高松藩主の下屋敷になり、明治以降は軍の火薬庫などがあった。
 「中世以降、昭和24年に国立自然教育園として公開されるまで、一般の人がほとんど足を踏み入れられなかった。このため関東平野部、武蔵野の自然がそのまま残りました」と国立科学博物館の矢野亮名誉研究員。
 園内の植物は1080種、昆虫は2100種以上。飛来する鳥も130種にもなる。樹齢百年を超え、高さ25メートル近くになる老マツやコナラなどがそこかしこに、当たり前のように生えている。飛ぶ宝石と呼ばれるカワセミも繁殖しているようだ。
 「路傍植物園や水生植物園などでは除草や、高い木を切るなどして野草や低木を保護していますが、それ以外はほとんど手をかけていません。植物の群落はほうっておくと長い年月のうちに常緑樹主体のうっそうとした森になります」と矢野さん。「本園も常緑樹が多いのですが、古い木が倒れ、陰になっていた地面に日の光が当たるようになると、数十年も地中で眠っていた種子が目覚め下草などが一気に顔を出します。そんなドラマが展開しているんです」
 4月上旬ならカタクリ、ニリンソウ、ヤマブキなどの花が見られ、モンシロチョウ、ルリシジミなどが飛んでいるだろう。
 「春にこられたらぜひ夏、秋、冬にもおいでください。それぞれに違う顔があります」と矢野さんは話した。 (仁)

 ★国立科学博物館附属自然教育園 東京都港区白金台5の21の5 地下鉄白金台駅(南北線、三田線)徒歩5分、JR目黒駅徒歩7分。不定期に日曜観察会、子ども自然教室などのイベントも。詳細は同園ホームページで。入園料一般300円、高校生以下と65歳以上は無料。園内には一時に300人以上入れない制限がある。原則月曜と祝日の翌日休園。(電)03・3441・7176。


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●足を延ばせば…
 ★松岡美術館 港区白金台5の12の6 白金台駅徒歩6分。古代東洋彫刻や古代オリエント美術から明の書画、仏の近代絵画まで故松岡清次郎氏のコレクションを所蔵。4月14日まで、花と鳥をモチーフにした中国などの陶磁器と、日本人による額装を「花・鳥-しあわせの予感」展として紹介。入館料一般800円、65歳以上700円、中高大生500円。原則月曜休館。(電)03・5449・0251。
 ★泉岳寺 港区高輪2の11の1 都営浅草線泉岳寺駅徒歩1分。曹洞宗の寺院。忠臣蔵で有名な赤穂藩主浅野長矩(ながのり)と赤穂浪士の墓所があり、史料や遺品などを展示する赤穂義士記念館もある。入館料は大人500円、中高生400円、10歳以上250円。2月と8月の最終水曜休館。(電)03・3441・5560。
◆ひとこと
 国立科学博物館の小川義和学習企画・調整課長は「山手線の内側に残る昔のままの緑として、皇居に匹敵すると思います」。

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