「SLUM 世界のスラム街探訪」小神野真弘 (彩図社 1890円)

「SLUM 世界のスラム街探訪」小神野真弘 (彩図社 1890円) .
【書籍・書評】
日刊ゲンダイ2013年3月21日 掲載



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 世界有数の経済大国になったインドの中でもムンバイは、国際的金融機関や多国籍企業の拠点が集結する「インディアンドリーム」の舞台として発展を続けている。その一等地に広がるのが「ダーラーヴィー」と呼ばれるスラムだ。

 ムンバイでは、20世紀後半にスラムの爆発的な拡大が起き人口の8割がスラムに住んでいる(2010年当時)といわれているという。

 スラムに暮らす人々は、安全な水を得るために配水パイプから漏れ出る水を集め、ごみ山から鉄や空ペットボトルなど売れるモノを探し生計を立てる。一方で工事現場や家政婦、門番など、都市の末端の労働力を支えるのもスラムで暮らす人々だ。皮肉にもスラムがなければ都市は機能しないのだ。

 弱者が貧困にさいなまれるこうしたスラムがある一方で、犯罪者たちの巣窟となっているスラムもある。

 ペルーの首都リマにあるサン・クリストバルの丘の斜面に広がるスラムもそのひとつだ。著者は、同スラム出身でかつては強盗として生計を立てていた青年の案内で足を踏み入れる。街中はゴーストタウンのように人の気配がなく、その静けさがかえって不気味だ。青年によると住人たちが繁華街に「出勤」しているからだという。

 その他、墓として建てられた建物が並ぶ街区に貧困層やホームレスが住み着き、死者と生者が奇妙な同居をするエジプト・カイロのスラム、上流から流れてくる大量のゴミを漁るグアテマラ・グアテマラシティーの谷の斜面に暮らす人々など7カ国のスラムを歩く。
 スラムに暮らす少年や青年のすさんだ目、小さなビニール袋の中の食料が1週間分だと語る女性の諦めきった目、レンズを通して我々に向けられた彼らのまなざしにさまざまなことを考えさせられる。


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彩図社
小神野 真弘

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世界のスラム街探訪 小神野真弘 彩図社発行年月:2013年03月 ページ数:1冊(ペ サイズ:単行本


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