かながわS級マイスター列伝<7> 川崎・手作り楽器 (東京新聞2013年1月8日)

【神奈川】
かながわS級マイスター列伝<7> 川崎・手作り楽器
東京新聞2013年1月8日



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慎重に竹を加工する岡信行さん=川崎市多摩区で

 口元に添えたヒョウタンに、静かに息を吹き込んだ。♪ポーポポポポポポポーポポ…。奏でるのは、バッハの名曲「G線上のアリア」。まろやかな音色が耳に心地いい。
 「ヒョウタンの素朴な音色は、不思議とクラシックにも合いますね」。岡信行さん(54)=川崎市多摩区=は、自作楽器の響きに聞きほれる。
 拳ほどの大きさのヒョウタンに指穴を十カ所開けたこの楽器は、名付けて「ヒョッコリーナ」。ヒョウタンとオカリナを掛け合わせた。
 竹(バンブー)で作った笛は「バンブリーナ」、竹で作った木琴は「バンブリンバ」(竹とマリンバ)。トイレットペーパーのしん、乳酸菌飲料の容器でも作った。およそ空洞があるものなら、何でも楽器に変えてしまう。「容器を見ると試したくなります」と苦笑いだ。
 本職は先生。今は麻生区の市立栗木台小学校の教壇に立つ。自宅母屋の空き部屋が楽器作りの工房兼練習スタジオで、あたかも「手作り楽器職人」のようだ。
 オカリナの独特なこもったような温かみのある音が好きで、昔から陶芸で自作していた。竹製の手作り楽器に興味を持ったのは、同校に赴任した六年前。総合学習で子どもたちに竹細工を教える中で、オカリナ作りができるかもしれない、とひらめいた。
 「そのままの状態で空洞がある。陶芸でオカリナを作るのは何日もかかるけれど、竹なら一時間でできる」
 しかし、現実は甘くなかった。笛の命とも言える、息を吹き込む「吹き口」が、大きすぎても小さすぎても鳴らない。竹と格闘する日々が始まった。
 極細のキリで穴を開け、糸のこの歯で少しずつ広げて最適の寸法を探った。さまざまな太さの竹を調達し、片っ端から試した。「吹いては削り、吹いては削り、を何度も繰り返しました」
 百個以上の竹で苦闘し、断面に横八ミリ、縦一・五ミリ、奥行き二〇ミリ前後の穴を側面に平行に開ければ音が出せるという結論に達した。この吹き口のアイデアは特許庁から実用新案に認められた。
 小学生の頃からトランペットを習い、高校時代は地元の市民オーケストラに所属した。プロの演奏家になる夢はかなわなかったが、音楽への情熱は冷めていない。
 「なぜかは分かりませんが、竹には竹の、ヒョウタンにはヒョウタンの音色がある。天然のものは全く同じ形がないから、二つと同じ音はしません」
 バンブリーナだけでも、その数百本以上。直径二~十五センチほどまでとりそろえており、五オクターブの音域をカバーし、ハ長調やヘ長調などすべての曲調に対応できる。
 ただ、自宅があるのは住宅街。音に気を使う妻からは「近所迷惑にならないで」とくぎを刺され、息子には「竹おやじ」と呼ばれるが、やめられない。
 「もっといい音があるかもしれない」。探求に終わりはない。
 (栗原淳)
 =おわり
 




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